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連載今夜も劇場へ

結城 雅秀
2017/11/02

ナチスの収容所で彼に何が起きたのか 『ポーランドの人形遣い』――今夜も劇場へ

 劇団昴『ポーランドの人形遣い』の状況設定は一九五〇年のベルリン郊外。戦後五年が経過しているのに未だ終戦を信じられず、アパートの屋根裏部屋に隠れるユダヤ人の人形遣い(中西陽介)の物語である。新婚の妻は収容所で亡くなり、人形を相手に暮らしている。同胞は全て虐殺されたと信じているから、マリオネットを相手に民族を創造しようとの幻想に取り憑かれてもいる。管理人(一柳みる)だけが外部との接点であり、管理人は兵士を連れて来て、戦争終結を分からせようとするが、徒労に終わる。

 村田元史演出の特色は繊細な心情を描き出すことにあり、最近では『他人の目』で英国的な雰囲気を醸し出させた。この作品の成否はイディシュ語を含め、どれだけユダヤ的雰囲気を出せるのかにある。

 収容所で人形遣いに何が起こったのか。原題にあるウッチはポーランド第三の都市でユダヤ人が多い。

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INFORMATION

劇団昴『ポーランドの人形遣い』
ジル・セガル作、村田元史演出 11月9日~26日、東京・大山 Pit昴にて
http://www.theatercompany-subaru.com/