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ロシア革命100年 声優・上坂すみれ「ソ連大好き」インタビュー#2 ソ連崩壊の年に生まれて

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モスクワで買った『セーラームーン』の海賊版

――料理はいかがでしたか?

上坂 お肉とか、日本とそれほど味付けが変わらなくてなじみやすいですし、ボルシチも日本でいただくものとほとんど変わらない味。ワインもウォッカも美味しかったです。

――ウォッカ、召し上がるんですね。

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上坂 でも、サハリンでは飲みすぎて二日酔いになりました。冷凍庫に入れるとウォッカは凍らずにトロッとした状態になって、あの状態が一番美味しいですね。常温だと、喉が辛くなってしまいますから。

 

――ロシアはサハリン以外にどこに行かれたことがありますか?

上坂 モスクワとサンクトペテルブルクです。どちらもイベントのお仕事で、モスクワは現地の方が主催している「J-FEST」というイベントに参加して、ロシアのみなさんと交流をしました。コスプレショーを見たり、トークショーをしたりしました。日本のアニメを見て日本語を勉強しようと思った、という同世代の方がけっこういました。

――声優になりたい、という人はいませんでしたか?

上坂 中には声優になりたいと熱心におっしゃる方もいましたが、日本のように声優ファンがいませんし、そもそも声優という概念が薄いんだと思います。大学生のときにモスクワで買った『セーラームーン』のDVDを持っているんですけど、再生したら、ひたすらひとりのおじさんが、セーラー戦士全員の声をあてていて、びっくりしたんです(笑)。これ、売っちゃダメだよ、というレベルの雑すぎる作りで……。海賊版の実態がよくわかりました。

――それはひどすぎる……。

上坂 ロシアの人はどんな気持ちでそれを観ているんだろう。日本版と見比べて脳内で補完しているんですかね。忍耐強い民族だから、平気で観てるのかなあ……。

 

◆ソ連大好きインタビュー、ラストは上坂さんがフルシチョフとプーチンを語る!
#3 私のフルシチョフ http://bunshun.jp/articles/-/4791

写真=鈴木七絵/文藝春秋 

うえさか・すみれ/1991年神奈川県生まれ。上智大学外国語学部ロシア語学科卒業。在学中の2012年1月にTVアニメ『パパのいうことを聞きなさい!』で声優として本格的にデビュー。2013年『七つの海よりキミの海』でアーティストデビュー。“共産趣味”の他にも、昭和歌謡、プロレスなど幅広い趣味を持つ。

ロシア革命100年 声優・上坂すみれ「ソ連大好き」インタビュー#2 ソ連崩壊の年に生まれて

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