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連載危険すぎる中国産食品

食べて一晩中トイレから出られなかった中国産「ヘドロアサリ」の恐怖

週刊文春記者が見た! 危険すぎる中国産食品#3

2017/11/07
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ヘドロのような臭いが漂う「アサリの酒蒸し」

お酒と香草の良い香りに混じって、ヘドロのような臭いが……

 見た目は美味しそうだ。ただ、お酒と香草の良い香りに混じって、さきほど嗅いだヘドロのような臭いが漂っている。

「遠慮せずにどうぞ」

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 運転手は笑顔でそう勧めてくれたものの、通訳の林氏はアイコンタクトで強いNGサインを私に送っていた。となると、「ヘドロアサリ」の味を読者に伝える役目は自分しか果たせない。覚悟を決めて、アサリをいくつか一気に食べてみた。味付けは上手だったが、砂抜きもされておらず、口の中でジャリジャリと音がした。そして、思ったとおり強烈な異臭が鼻を突く。

 思わず吐きだしそうになったが、嬉しそうに見ている運転手が視界に入った。彼は茹でたシャコ貝やアサリの酒蒸しを美味しそうに次々と口に入れていた。余計に気持ち悪くなって、私は手元にあった中国ビールで、アサリを強引に胃の中へ流し込んだ。

 夕方、ホテルへ戻ると、断続的な吐き気と腹痛に襲われた。厚生労働省が発表している「輸入食品違反事例」によれば、摘発されるアサリの「不適格内容」は「大腸菌群」が散見される。ただ、昼に食べた「酒蒸し」は、火を通して菌が死んでいるはずではないのか。加熱処理が不十分だったか、それとも腐敗していたのか。理由は不明だったものの、翌朝まで下痢でトイレから離れられなくなった。

 無論、このような事態は想定していた。日本から持参した「ラッパのマーク」の下痢止めが、心強い味方となってくれたため、なんとか病院へ駆けこまずに済んだ。同じアサリを食べた運転手は次の日も元気そうだった。自分は胃腸が虚弱なのか、10日間、腹痛に苦しむことになったのである。

 ひどい目に遭ったが、日本にも中国産アサリは多く輸入されている。