昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

山本 一郎
2017/11/09

「君たちはどう生きるか」 アレなトランプさんと、安倍晋三さんの時代を

これはもう、歴史の特異点なんだと思います

 このアジアの混乱を収めるべく、混乱の主役であるアメリカ大統領トランプさんと、我らが日本の宰相安倍晋三総理とが一見仲良くしているのが、むしろ心の痛みの原因なんですよ。ひょっとしたら、来年のいまごろは両方表舞台からいなくなっているのかなあって。

 と申しますか、アジア諸国の首脳って、基本的に爆弾しかいないと思うんですよ。人として爆弾。お隣の大国である中国は、天にも届く櫓を作って歴史の教科書で何度も見てきた大中華帝国を築き上げようとしている独裁政治まっしぐらの習近平さん。ロシアはロシアでこれまた大統領という名の皇帝になろうと統制を強めながらも対米嫌がらせに血道を上げる、近代ロシアきっての有能な為政者プーチンさん。韓国はアレ。この前来日しておられたフィリピンのドゥテルテ大統領も結構な勢いで国内のいろんな人が死んでますし、なんかこう、その国や社会のトップってのは濃い口のキャラクターでないと務めてはならない何か不文律でもあるんじゃないかってぐらい個性的で特徴的です。凡人死すべし。まあ、組織の中で頭角を現し国民の幸福と財産と生命を担って一国の一切の政治を司る責任者になるわけですから、そのぐらい際立ってないと駄目なんだということは分かります。

首相官邸HPより

「お酒飲んだ時のパパみたいだ」

 でも、この前やってきたトランプさんとか大変なことだと思うんですよ。あのさあ。いや、なんなんすか、あの人。別に彼のことはメディアで知る以上には詳しくないし、ニュースや彼がTwitterで書いていることぐらいまでしか知らないですけど、どう見ても、あの、穏やかにいうと正常でないというか、いや、彼にとってはあれが正常だったとしてもだ、まあ、厄介というか、そのなんだ、ヤバくないですか。ちょっと普通ではない感じの。人として。いいんですかね、ああいう感じで。あ、悪口じゃないですよ。ただ何というか、表現しづらい「何か」であることは間違いないのです。あー、やってしまったなと。こりゃただじゃすまないぞと。

 ちょうどトランプさんが日本に来る前にハワイへやってきたのを海外メディアが報じていて、たまたま拙宅山本家三兄弟とお家で映像を観ておったわけですけど、階段降りてくるトランプさん映るなり、

次男(6歳)「トランプさんって偉くてかっこいいけど、まずミサイル撃ってから考える感じだよね」
長男(8歳)「お酒飲んだ時のパパみたいだ」
三男(4歳)「埴輪」

 山本家のトランプさんの評価は微妙です。以前、ハワイ出身のオバマ前大統領をずっとトランプさんがケニア出身と中傷してたので、ハワイ民からプラカードで「ケニアにようこそ」と歓待されていました。この「大統領という存在自体がネタである」というのは、社会常識の中で語られるべき「政治家は国民の代表であるから、原則として敬うべき」という「原則として」から自ら大股で逸脱している気がするんです、トランプさんは。だって、国際社会を舞台に北朝鮮と同等レベルの罵詈合戦を数十億人の環視下で平気でやってのける男ですよ。アレとしか言いようがありません。

首相官邸HPより