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イチローのこれから 日米通算26年目の「正念場」

地元ファンは球団を非難した ©共同通信社

〈イチロー(44)がFAに〉スポーツ紙などがネットで一斉にそう報じたのは11月4日のこと。マーリンズが、イチローとの来季年俸200万ドル(約2億2000万円)の契約を更新しない、と発表したのだ。

「マーリンズは先月、球団そのものが身売りされ、経営陣が新しくなりました。メジャーリーガーの平均年俸約5億円に比べれば、安い年俸ですが、今のイチローにその価値はない、と判断されてしまった」(MLB関係者)

 今季のイチローは現役最年長野手として136試合に出たが、先発出場は22試合にとどまった。

「慣れない代打出場に最初は戸惑いながらも、途中からきっちり適応したのは、さすがです」(スポーツ紙デスク)

 打率こそ2割5分5厘(3本塁打)ながら、メジャー歴代2位となる代打安打数27を記録。意地を見せた。

 一方でさすがに“衰え”も隠せない。

「今年5月、かつて“レーザービーム”の称号を得たアスレチックスの本拠地で、同じような見せ場があった。ところがイチローの三塁への送球はツーバウンドで、走者は悠々セーフでした」(同前)

 前出のMLB関係者は、「メジャーでは、野手を評価するうえで、特にOPS(出塁率+長打率。AからGまで7段階に分けて評価)の数字を重視します」と指摘する。

 例えばワールドシリーズを制したアストロズのチームリーダー、ベルトラン(40)のOPSは昨季.850(B、非常に良い)だったのが今季は.666(E、平均以下)。

「それで来季の契約はないかも、と言われてます。イチローの場合、昨季が.730(D、並)で、今季は.649(E)ですから、やはりリストラ対象でしょう」(同前)

 果たして、FAとなったイチローに手を挙げる球団はあるのか。このMLB関係者は「数字以外の部分が、どう評価されるか」という。

「DHのないナショナル・リーグ、中でも外野手の層が薄いジャイアンツや若手の見本を必要としているカージナルスなどの名前が囁かれています。これらのチームは監督の代理人がイチローの代理人と同じとかで、可能性があるかもしれません」(同前)

「50歳まで現役」を公言するイチロー。日米通算26年目の「正念場」だ。