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連載すごいアート

林 綾野
2017/11/17

西洋絵画に北斎の影響を見る『北斎とジャポニスム』――すごいアート

 19世紀後半、西洋の芸術家たちは遠近法や写実を重んじる伝統から抜け出そうと模索を重ねていた。そんなところに開国間もない日本から浮世絵や工芸品が渡ってくる。

 その中で最も注目を集めたのが浮世絵師の北斎だ。富士と大波、小さな花や鳥まで、北斎の表現は西洋の人々を震撼させた。フラットな画面に思いがけない構図。愉快で軽妙。北斎からインスピレーションを得た芸術家たちは次々と新しい作品を生み出していく。

 展覧会ではそんな北斎をめぐるジャポニスムの旺盛を「富士とセザンヌのサント=ヴィクトワール山」「胸を張る力士とドガの踊り子」といった北斎×西洋絵画という形で丁寧に対比しながら紹介する。

 新たな息吹が吹き込まれたモネやゴッホたちの作品は、当時、彼らがどれほどこの絵師に心躍らせたか、その高揚感までも伝えてくれる。西洋の名画と共に改めて北斎の魅力にも迫る展覧会だ。

INFORMATION

『北斎とジャポニスム』
~1月28日 国立西洋美術館 月休 03-5777-8600(ハローダイヤル)
http://hokusai-japonisme.jp/