昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

池上 彰
2017/11/27

池上彰氏 ISの軍事的な消滅後、再び「アルカイダ」ブランドのテロが始まるかもしれない

池上さんに聞いてみた。

Q 今後の過激派対策はどうなるのでしょうか。

 ISが「首都」と位置づけるシリア北部のラッカが制圧され、「イスラム国家」は事実上、崩壊しました。その反動で過激派のテロが世界各地で起こるのではないかと心配です。今後の過激派対策はどうなるのでしょうか。(30代・男性・会社員)

A ISが軍事的に消滅したことで、再び「アルカイダ」ブランドのテロが始まるかも知れません。

 ISは、今年に入って軍事的に追い詰められてからは、世界に向けたインターネットのサイトで、「自国でテロを起こせ」と呼びかけていました。もう自国に世界から軍事要員の若者を呼び寄せる力がなくなっていたからです。

 これを受けて、世界各地でテロが起きていますが、注目すべきは、爆弾や銃を使ったものではなく、盗んだりレンタルしたりした自動車で人混みに突っ込むというタイプのテロに移行していることです。

10月31日、ニューヨークで起きた車突入テロで使用されたトラック ©時事通信社

 これは、以前のように大規模なテロを支援する力が失われていることを示すものでしょう。
 
 ということは、日本の秋葉原事件のように自動車を使ったテロは今後も続くと見ていいでしょう。

 ただし、テロリストの世界でも「暖簾」「ブランド」は幅を利かせます。2001年の9.11以降は反米国際テロ組織「アルカイダ」がブランドでしたが、ISの興隆で「アルカイダ」ブランドは影が薄くなっていました。

 しかし、最近のアルカイダは、アメリカに殺害されたオサマ・ビンラディンの息子が台頭して勢力を回復しつつあると言われます。ISが軍事的に消滅したことで、再び「アルカイダ」ブランドのテロが始まるかも知れません。

「○○さんに聞いてみた。」のコーナーでは、みなさまからの質問を募集しています!

質問投稿フォーム