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「モノマネはマーケティングです」ものまね芸人・ホリが語る生き残るための技術

「テレビっ子」ホリ インタビュー#1

忘れられない『一発貫太くん』の生活環境

―― 時間帯もしっかり覚えてるんですね。

ホリ テレビ欄が頭の中に入ってます! だから日曜日10時が『キン肉マン』なんですけど、僕、3年生ぐらいから野球始めちゃったので、練習で観れなくなっちゃったんです。うちはまだ当時ビデオなかったので。

―― ああ、野球少年だったんですね。

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ホリ そうなんです。ああ、あとはタツノコ! 『ヤッターマン』とかはたぶん僕が生まれた頃だったので再放送ですけど。『ヤットデタマン』とか、『ゼンダマン』とか『ムテキング』とか「タイムボカンシリーズ」を観てましたね。

 

―― いまは声優としてかかわっていらっしゃいますね。

ホリ そうなんです。その時、タツノコってどんなのやってたかなって改めて調べたら、あっ、これも、これもかって。すげー、いいアニメが多くて。僕ら子供の時って、タツノコと藤子不二雄がほとんどだったなって。たぶん世の中的にはあまり知られていないけど、例えば『一発貫太くん』っていうタツノコのアニメがあるんです。子供がいっぱいいて、母ちゃんが車でラーメン屋やってて、それで野球チーム作るっていう(笑)。人数足りないから犬もメンバーに入れて。

―― ええー!(笑)

ホリ この頃のアニメで人間模様とか家族模様やる時は、だいたい貧しい設定が多いんですよね。

―― あぁ確かに。

ホリ 今って、生活保護問題とかが結構浮き彫りになってしまうから、そういう設定は描きにくいと思うんですけど、昔は『キャプテン翼』のようなスポーツ漫画でさえ日向小次郎が新聞配達をしてたりとか描かれていましたよね。アニメ一つとっても時代背景がうかがえますよね、結構。

子どものころ、僕が編成局長だったら……

―― お笑いはどんなものを見てたんですか?

ホリ 欽ちゃんも見てました。月曜日が『欽ドン!』。火曜日はたまに『火曜ワイドスペシャル』になってましたけど、水曜は『欽どこ』、木曜日はなんだっけな? 金曜日は『週刊欽曜日』があって土曜はドリフ。それで日曜は『(オールスター)家族対抗歌合戦』。だから木曜は子供からすると、ちょっとパンチねぇなって(笑)。

―― 自分なりの編成が(笑)。

ホリ そうそう。なんかあるんですよ。僕が編成局長だったらだいぶ違う編成になってたと思うんですけど(笑)。たとえば金曜日だと、夜7時から『ドラえもん』を観た後、『はなきんデータランド』。『はなきんデータランド』が新番組で始まる前は、確か「メタルヒーローシリーズ」をやってたんですよね。『ギャバン』も最初から観てますし。その前は『花の子ルンルン』とか女の子向けアニメをやってたので、男子からするとちょっとパンチがなかった(笑)。

 

―― すごい記憶力! 高学年くらいになってくると、また変わってくると思うんですけど。

ホリ 変わりますね。だいたい小学校中学年ぐらいから友達が歌手とかに興味を持ちだすじゃないですか。だから『トップテン』とか『ザ・ベストテン』とか『夜ヒット』とかを観だして。おニャン子クラブとか。僕、国生さゆりさん好きだったんです。それで『夕やけニャンニャン』観たりとか。漫才ブームが終わって、たけしさんがメインを張る番組も始まって、『スポーツ大将』とか好きだったな。あと『ものまね王座決定戦』がちょうど盛り上がり始めて。まだ「四天王」とか言われる前ですけど、コロッケさんたちがすごく出てき出して。それからとんねるずさん。『みなさんのおかげです』は最初に単発でやってたのも観てました。レギュラー化したのが、僕がもう5、6年生の時だったかな。毎週録ってましたね。

―― その頃にはビデオがあったんですね。

ホリ ちょうど6年生になったぐらいの時に、家を建て直したついでになんかビデオがやっとうちに入ってきたんです。