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連載文春図書館 ベストセラー解剖

樋渡 優子
2016/03/30

珠玉の言葉が“やる気”をもたらす

『松下幸之助 パワーワード』 (小宮一慶 著)

source : 週刊文春 2016年3月24日号

genre : エンタメ, 読書

「私のこれまでの人生というものは、様々なことを教えてくれた多くの人々の『一言』によって支えられ、成り立っている」(はじめに)から、最後の「君ならやれる。わしだったらやれないけれど、君ならやれる」まで、ビジネスの神様・松下幸之助氏の“金言”が114個詰まっている。

 自身も幸之助氏の言葉に人生を支えられてきたという経営コンサルタントの著者が、一つ一つの言葉にエッセイを付しており、その一言が発せられた背景や幸之助氏の人生哲学や人への情、仕事への強い愛を伝えて、心の奥深くにずしんと落ちてくる。これで1000円とは驚きの濃密な人生&ビジネスの啓蒙本である。

 編集を担当したのは主婦の友社の高原秀樹さん。

「小宮先生からこの本の企画のご提案を頂き、資料集めから本に仕上げるまで、2年掛かりました。松下幸之助と聞けば、誰でも固定観念があります。類書と差異化を図るため、表紙にあえて顔写真は使わず、黒地に文字のみ、また松下幸之助よりパワーワードの文字をかなり大きくしました」

 作り手の狙いどおり、新しく部下を持った人や、仕事について真面目に考えたい人たちの手に確実に届いている印象とのこと。

「パワーフードならぬ、このパワーワードを読んで、多くの方にやる気を起こして貰えたら嬉しいです」

 ――きょうは昨日のままであってはならない(松下幸之助)。

2015年4月発売。初版1万3000部。現在4刷5万部