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鳥集 徹
2017/12/04

 インターネットで検索すれば、がん予防やがん検診に関する多種多様な情報を手に入れることができる。しかし、その中には、科学的根拠に基づかない不適切な情報が掲載されているものや、特殊な治療や民間療法への受診を促したり、健康食品・サプリメントを販売したりする目的で設けられたサイトが少なくない。

 そうした情報に惑わされないように、ここではがん予防やがん検診に関して、信頼できる情報を得られるサイトを厳選した。まずは、これらのサイトで得た知識を頭に入れておけば、他の情報に触れた際にも適切に是非を判断できるようになるだろう。

 病気の検査や診断、治療法、薬の効果や副作用など医学的な情報を、インターネットを介して得る人が増えている。その際にまず大切なのが、どのような主体が運営しているサイトなのかを確かめることだ。

 がんに関していえば、国立がん研究センターや各地のがん診療連携拠点病院(大学病院、がんセンター、基幹病院など)や国公立の研究機関が発信している情報は、一定の信頼が置けると言えるだろう。

©iStock.com

 しかし、検診や病気に関して一見信頼できそうなサイトでも、PET検診等の受診を促す民間会社や、薬を販売している製薬会社が宣伝目的で運営している場合がある。医学的には間違っていなくても、がん検診の不利益や薬の限定的な効果など不都合な情報を十分伝えずに、都合のいいことばかりを強調していることが少なくない。

 したがって、こうしたサイトの情報に接した場合には、情報を鵜呑みにせず一歩引いて見ることが大切だ。がん検診を推進している団体のサイトについても同様だ。がん検診には利益だけでなく不利益もあることを頭に入れて、情報を読み解いてほしい。

 以下の情報源には専門的な内容も書かれているが、各コホート研究のホームページには興味深いデータが満載で、健康長寿を願う人にとって宝の山とも言える。インターネットが使える人は一度サイトを訪れて、自分だけでなく家族や職場の人たちの健康のためにも、ぜひ役立ててほしい。

INFORMATION

<予防>
多目的コホート研究(JPHC Study)
http://epi.ncc.go.jp/jphc/index.html

 全国11の保健所と、国立がん研究センター、国立循環器病研究センター、大学、研究機関、医療機関が共同で、約14万人の地域住民を対象とした追跡調査を実施。生活習慣や居住環境などと、がん、心筋梗塞、脳卒中といった病気のなりやすさとの関連を研究している。その成果が随時ホームページで公表されており、「疾患」「要因」等のキーワードで検索することができる。最近も、ヘモグロビンA1c(糖尿病の指標となる血液検査値)とがんとの関連、魚介類が膵がん予防になる可能性など、興味深い研究成果が次々と公表されている。

<予防>
文部科学省科学研究費
大規模コホート研究(JACC Study)

http://publichealth.med.hokudai.ac.jp/jacc/index.html

 文部科学省(当時文部省)の科学研究費の助成を受けて、青木國雄名古屋大学教授(当時)を中心に、多施設が協力して開始された。約12万人の一般の人を対象に、最近の日本人の生活習慣が、がんとどのように関連しているかを明らかにすることを目的としている。各種がんや他の病気別に、研究成果をわかりやすく掲載。「教育歴と胃がん死亡」「子どもの数と結腸がん」など、一見関係のなさそうな要素とがんとの関連を示した研究も紹介されている。

<予防・検診>
がん情報サービス
「予防・検診」のページ

http://ganjoho.jp/public/pre_scr/index.html

「がん情報サービス」は、国立がん研究センターがん対策情報センターが運営するサイトで、がんについて信頼できる最新の情報をわかりやすく紹介することを目的としている。各種がんの診断・治療や生活・療養の解説とともに、がん予防やがん検診についての情報も提供。がん予防の科学的な評価方法や、それに基づいてどのような予防法が推奨できるか、わかりやすく解説されている。このページの中から「科学的根拠に基づくがん予防」のパンフレット(PDFファイル)がダウンロードできる。

<予防>
がんリスクチェック
http://epi.ncc.go.jp/riskcheck/index.html

 国立がん研究センター社会と健康研究センター予防研究グループが運営。多目的コホート研究などの研究成果をもとに、性別、身長、体重、喫煙、飲酒などの項目を入力すると、がん、循環器の病気、脳卒中などのリスク(同年代に比べ、どれくらい病気になりやすいか)がわかるようプログラムされている。「がんと循環器の病気」「大腸がん」「脳卒中」「5つの健康習慣によるがん」の4つのリスクがチェックできる。上記の「がん情報サービス」の「予防・検診」のページから入ることができる。

<予防>
がん研究振興財団「広報活動(パンフレット・冊子)」のページ
http://www.fpcr.or.jp/pamphlet.html

 がん征圧をめざして1968(昭和43)年に設立された財団で、企業、団体、個人などの寄附を原資に、がん研究者への助成などを実施。彼らの研究成果を国民にフィードバックする事業も行っている。その一環として、各種がんの知識や生活習慣とがんとの関連を解説した一般向けのパンフレットを作成し、在庫のあるものを無償で配布している。その中に「がんを防ぐための新12か条」のパンフレット(PDFファイル)があり、このページからダウンロードできる。