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横田 増生
2017/12/01

ユニクロは生き残れるのか ゾゾタウン「無料採寸ボディスーツ」の脅威

現代アートの収集家で知られる前澤氏 ©文藝春秋

 ファッション通販サイトZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイが10月30日、年内にプライベートブランド商品を発売する計画を発表した。

 PB立ち上げは、前々から噂され、アパレルブランドを戦々恐々とさせていたが、さらに業界を震撼させたのが、11月22日に発表された「ZOZOSUIT」だ。

 体の寸法を瞬時に採寸できる伸縮センサー内蔵のボディースーツで、着てスマホに接続すれば採寸が完了。無料(送料200円)で、データはアプリで管理する。

 PB商品の購入は、ZOZOSUITによる採寸が条件で、狙いは「超ベーシックアイテム」を「最高品質、バリュープライスで提供する」。

 となれば、そのライバルはファーストリテイリングが運営するユニクロになる。

 ZOZOSUITが発表された翌日、ユニクロにとって最大の書き入れ時である感謝祭が始まった。柳井正社長は、現状で6%にとどまるEコマース事業の比率を「早期に30%にしたい」と宣言。主力の国内ユニクロ事業が、飽和状態にあり業績が伸び悩む中、通販をテコ入れの手段として重要視しているからだ。

 TVCMでも大々的に告知した結果、通販サイトにアクセスが集中。2日にわたりシステムダウンを起こし、いきなり暗雲が立ち込めた。

 実は、ユニクロは採寸にも注力してきた。2016年には、セミオーダーのメンズスーツを発売している。ただ、そのためには、採寸用の研修を受けた社員が、店頭で採寸する必要がある。だが、筆者が勤務した店でも、採寸に失敗して返品となる事故が発生するなど、顧客への浸透度の低いサービスにとどまった。

 これまで柳井社長の号令一下、人海戦術で数々難題をクリアしてきたユニクロ。だが、通販事業で先を行くZOZOに採寸による顧客データを先に抑えられれば、店舗での売上にも影響しかねない。

 スタートトゥデイは、過去5年で売上高を倍以上に伸ばし、40%近いという驚異の経常利益率を叩き出してきた。前澤友作社長は、「数年内にPB事業でZOZOTOWNの事業規模を超えたい」と語っている。その時、800超の国内店舗を抱える巨人ユニクロは生き残れるのか。