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児童ポルノ所持容疑「るろうに剣心」作者が捨てられなかったもの

「北海道編」がスタートし話題を呼んだ「ジャンプスクエア」10月号(集英社)

 18年ぶりに続編が始まったばかりの伝説の漫画は、作者の“趣味”で再び幻となってしまうかもしれない――。

 人気漫画「るろうに剣心」の作者、和月伸宏氏(本名・西脇伸宏 47)が21日、児童買春・児童ポルノ禁止法違反(単純所持)容疑で、警視庁少年育成課に書類送検された。警視庁担当記者の話。

「容疑は10月、10代前半の女児の裸を写したDVD複数枚を所持したというもの。同月、和月氏の自宅と事務所を家宅捜索し、児童ポルノが含まれるとみられるDVD100枚近くを押収。和月氏は『小学校高学年から中学2年くらいの女の子が好きだった』と供述しているそうです」

「るろ剣」は1994年から99年まで「週刊少年ジャンプ」で連載。幕末明治を舞台に、過去に「人斬り抜刀斎」の異名を取った主人公の剣客が「不殺」を誓って新たな人生を歩む物語を描いた。多彩なキャラなども共感を呼び、アニメ化や実写映画化もされた。9月からは18年ぶりの続編「北海道編」が月刊連載で始まったばかりだったが、摘発後、集英社は次号の休載を発表した。

「少年育成課は和月氏をマークしていたわけではなく、児童ポルノの供給源を捜査する過程で、たまたま客として関与が浮上したようです。客の特定→供給源の特定→その他の客の特定という、単純所持罪新設後の捜査の常道の三段階目にあたります」(同前)

 単純所持は、法改正で15年7月から処罰対象となり、性的目的などで所持していれば1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金。「勝手に児童ポルノを受信させられれば、逮捕される」と陰謀めいた反対論を当時の民主党が主張したことも記憶に新しい。

 警察関係者は「単純所持は直接、児童に被害が及ばないとして慎重論も根強かったが、海外では厳しく取り締まられており、例外を貫くことは国際圧力からしても難しかった」と振り返りつつ、「国境を越えた児童ポルノ供給源の捜査は困難さを増していた。単純所持罪で需要側に圧力をかけて児童ポルノ根絶を目指すのは捜査の理にもかなっていた」とも打ち明ける。

 過去に児童ポルノを所持しても、破棄すれば摘発は免れる。抜刀斎は過去の業を封印し新たな人生を見いだしたが、作者は、果たして――。