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政治とメディアの「適切な距離感」とは? 立憲民主党の資金提供1500万円を明示せず…ネットメディアの“裏切り行為”

2022/01/18
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 あらゆるメディアのなかで、送り手と受け手の関係が最も理想的にみえるメディアってなんでしょうか。私は「スポーツ新聞」だと思います。

 なぜって、読者は最初から“偏った情報”を承知のうえで買うからだ。むしろ期待している。そして次の点も大事ですが、情報の発信元が明らかにされているからこそ“偏り”に期待しているのだ。

立憲民主党がネットメディアに資金提供

 野球報道でいうなら「スポーツ報知」は巨人、「中日スポーツ」は中日、「サンケイスポーツ」はヤクルト、などがある。球団と同じ系列だから機関紙的な役割も果たしている。なかには「デイリースポーツ」のように阪神と直接関係がなくても阪神情報が売りの新聞もある。それぞれ紙面が偏っているからファンは好みの新聞を読む。つまり、この情報のバックには誰がいるのかという「情報」は受け手にとってめちゃくちゃ大事なことなのだ。

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©iStock.com

 ネットメディア「Choose Life Project」(CLP)は「広告に依らない、市民スポンサー型のメディアを目指します」と標榜してきた。寄付によって自由で公正な社会を共に作っていくための発信ができるとも言っていた。しかし、立憲民主党から「番組制作費」として約1500万円の資金提供を受け、その事実を明らかにしていなかった。これほど受け手を馬鹿にした話はない。

 たとえば「自由で公正なスポーツ論評メディアです」と言っておきながら、阪神からカネを受けとって運営していたら? それを隠して巨人批判をしていたら? 受け手からすればなんだそれである。阪神ファンだってバツが悪いだろう(※この部分は球団名を自由に入れて考えてみて下さい)。