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流行語大賞ハゲ落選問題 「しつこい東スポ」の本領を見た

元ハゲ・やくみつるに直撃したジャーナリズム

2017/12/08
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さらにハゲ落選の「忖度」をやくみつるに直撃する東スポ

 12月1日に大賞「忖度&インスタ映え」が発表されたあともこだわる。

「『インスタ映え』とともに受賞も……流行語大賞に“忖度”はあったのか」(12月2日)

 選考委員を務めた漫画家やくみつる氏にインタビュー。

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やくみつる氏 ©石川啓次/文藝春秋

《ガラケー派のやく氏でさえ「今年を代表する言葉と認識していた」と太鼓判を押した。》

 流行語大賞は「おじさんに届いた言葉の発表会」という私の見立ては間違っていなかったようだ。そして注目したいのはこの部分。

《また、やく氏は豊田真由子元衆院議員(43)の「このハゲーーッ!」についてネット上で流れる“噂”に言及。増毛した「元ハゲ」のやく氏が嫌ったため、手心を加えてノミネートから外されたという噂だ。》

 ハゲ落選に忖度はあったのかどうかを、やくみつる氏に言わせるという「しつこい東スポ」の本領発揮。やく氏は《「アホなネット住民が想像するようなアホな人間ではなく、私は深謀遠慮の人。おまえらより賢いよ」と完全否定。》

 真相はと言えば「このハゲーーーッ!」は豊田氏が書類送検されたので選考会で「まずい」となったという。

《『ちーがーうーだーろー!』は送検対象にギリギリ入ってない言葉だと解釈してノミネートされた》(やくみつる氏)

 東スポがこだわったハゲ落選問題はこうして解明された。どうでもいいと思う人もいるかもしれないが、自分が謎だと思う視点にこだわり見事に解明した。ジャーナリズムである。