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まだ間に合う! すぐやるべき! 達人に聞く ふるさと納税を賢く使う法

ふるさと納税特集

とろりと脂の乗った牛肉や普段はお目にかからない高級フルーツ、数十kgの米が2000円の自己負担で手に入る──。最低限の自己負担でさまざまな地方の産品を手に入れられるオトクなふるさと納税制度を、どう使いこなせばよいか。ふるさと納税の“達人”、金森重樹さんに聞いた。


金森重樹(かなもり・しげき)さん ビジネスプロデューサー。不動産会社やホテルなど複数企業のオーナー。2017年のふるさと納税の寄附額は約3000万円。食材、家電、感謝券などあらゆる返礼品を使いこなす。

 まず、ふるさと納税制度について簡単に整理しておこう。納税という名前だが、実際には地方自治体への寄附だ。原則として自己負担額の2000円を除いた寄附金の全額(上限あり)が税金の控除の対象となる。

「そもそもふるさと納税とは、都市と地方の税収の不均衡を解消することが一つの目的です。この制度をチャンスと捉えて、地域資源を見直し、魅力をPRする自治体も増えているのは歓迎すべき流れです」と金森さんは話す。

「最近のふるさと納税の原動力は、魅力的な返礼品。自治体の切磋琢磨によって返礼品の魅力が増していることは、寄附の大きなモチベーションになっています。昔はお礼状などシンプルなものが多かったけれど、今はA5クラスの和牛や海産物などラインナップも豊富。加えて確定申告不要で手続きできる『ワンストップ特例制度』が導入されたことが後押しになっています」

 税金の控除といえば、とかく面倒で書類が多いものだ。しかしワンストップ特例制度を使えば、確定申告なしの簡単な手続きで利用できる。

 注意すべきは、全額控除される寄附金額は、その年の収入や家族構成、医療費控除や住宅ローン控除などで変動するという点だ。正確な控除額を算出できるのは年末になる。総務省のポータルサイトなどでチェックしておきたい。

「その年の控除額の “枠”がいくらになるかで、ふるさと納税のプランはまるで違ってきます。例えば自営業やフリーランスの方でしたら、12月の売上がどこまで計上できるかも分かれ道。今年の枠は、今年のうちにしか使えません。枠を無駄にしないという意味でも、12月は、ふるさと納税の総仕上げといえるタイミングなのです」と金森さんは話す。

米や野菜などは“鉄板”ポイント活用で幅を広げる

 

 控除額のおおよそがつかめたら、ふるさと納税で最も楽しい返礼品選びにとりかかろう。

 超高級食材や珍しいスイーツ、家電製品や伝統工芸品などから、どんな基準で選べばいいのか。金森さんは「まず押さえるべき“鉄板”はやはり米。日持ちする乾麺などもいいですね。絶対に食べるものをもらうのは家計防衛の基本です。その後、シーズンに合わせて旬の食材や肉、カニなどを投入していくのが良いでしょう」と助言する。

 食品関係で注意すべきは“もらいすぎ”だ。大量に届いてしまわないよう、時期をコントロールしておくことも考えたい。また、人気の高いブランド和牛や旬の果実、野菜などは注文が殺到し、あっという間になくなる。「野菜であれば旬の3~4カ月前には頼んでおく」(金森さん)ことを心がけたい。

 また、最近は時期を気にせずに使える返礼品としてポイントを発行する自治体が増えている。

「一度ポイントに替えておけば、後はカタログギフトのように好きなタイミングで食品やお酒などと交換できます。1年分の枠だけだと手の届かない高級な産品も、2年分のポイントを合算すれば頼めたりして、選択肢がぐっと広がります」

 今年に入り、自治体の返礼品は寄附額の30%以内とすべきという総務省の通知がされたことで、「もうオトクでなくなったのでは?」と心配する向きもあるが、「まだまだ掘り出し物はあります」と金森さん。

「安く質の良いものを手に入れられるのは産地の強み。流通量が少なくて都市部では入手できないレアな産品、割安で使える旅行券など、探せばきらりと光る物はあります」

 そんな金森さんがこれから積極的に寄附していきたいと考えているのが、旅やアクティビティといった“体験型”のお礼を提供している自治体だ。

「返礼品として旅館の宿泊券やダイビング体験などを提供する自治体は以前からありましたが、最近はより充実してきています。返礼品で旅した湯河原は旅館のおもてなしも最高級でしたし、子どもたちと苗場にスキーに行ったのも良い思い出。茨城県の石岡市ではパラグライダーを体験するというプランもありました」

 日本有数のフライトエリアで空を舞うのはなかなかできない体験。これを寄附で楽しめるのもうれしいところだ。

「都内のレストランで地域のお肉や地酒などのコースを味わえる『グルメポイント』も、いい試みですね。三重県の松阪牛や、山口県のふぐなどが都内にいながらプロの調理で味わえるのがありがたい」

 地域の自然や文化を知ることができる体験型のプランがもっと増えていけば、ふるさと納税の楽しみはさらに増していきそうだ。地方を応援しながら、その恵みで自らの人生をも豊かにするふるさと納税。控除額の枠が残っているなら、ぜひ検討を。今年の寄附は、まだ間に合う。

まだ間に合う! 「ふるさと納税特集」オススメ自治体

12月でもまだ間に合う自治体から、オススメの返礼品をご紹介します。