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【DeNA】現役引退・高崎健太郎の“通算25勝”は多いといえるのか?

文春野球コラム ウィンターリーグ2017

2017/12/06
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明と暗のコントラスト

 眩しさを感じる時は、単に明るさの強弱の問題ではなく、明暗のコントラストが鮮明であれば鮮明であるほど眩しさを感じる。トンネルから抜けたら眩しく感じるように。

 では、暗い暗いトンネルを走っている時は、目をつぶっているのと同じなのだろうか。そうではない、何とか少しでも光を発するものを目指して、何とかトンネルを抜けようと全力で走っていたはずだ。

 高崎健太郎の通算25勝が果たして多かったのかどうか? 

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 入団前の期待、持ちうるポテンシャルから考えると、もっと勝ち星を挙げられた、もっとできたと思うのかもしれない。

 でも、高崎健太郎は短くとも紛れもないベイスターズの一時代のエースであったと思うし、誇りであった。

 話を戻して10月1日。

 現役最後のマウンドに登った高崎は、初球を打たせてファーストファウルフライに打ち取った。

 ポーンと高く上がった打球をファーストの網谷が納めて、セカンド石川にボールを渡す。ボールを受け取った石川が高崎の肩を抱いて、今までの労をねぎらうように握手をしながら何かを囁いた。

 2年連続のクライマックスシリーズ進出、19年振りの日本シリーズ進出。DeNAファンにとって夢心地とも言える秋を過ごすことができた。

 一方で、暗闇の中、ただひたすらに懸命に走り続けて、光の射す方へバトンを渡してくれた選手がいることを忘れてはならない。

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