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連載尾木のママで

尾木 直樹
2017/12/07

今社会で最も求められる能力「対話力」を磨くには?

尾木のママで

イラスト 中村紋子

 ある調査によれば、親が「子どもに身につけてほしい能力」の第一位は「コミュニケーション能力」だそうよ。企業が新卒採用選考時に重視する要素でも「コミュニケーション能力」はダントツ一位。でも、そもそも「コミュニケーション能力」って、どういう力なのかしら?

 コミュニケーションは大きく三段階に分けられる。とりとめもない「会話」。結論を求めて意見をぶつけあう「議論」。異なる立場や価値観を持つ他者と互いに理解を深め合う「対話」。この「他者との違い」を前提とした「対話力」こそ、今社会で最も求められる能力と言われているの。そして、トランプ大統領や金正恩氏に欠けている能力とも(笑)。

 最近では、親が先回りして子どもの話を汲みとってしまうため、「お風呂」「ご飯」などの単語で会話が成立してしまうというケースも耳にするわ。またLINEではスタンプや極端な略語だけでやりとりが完結することも多い。日本は「忖度」「斟酌」する文化が根強いし、「言葉に出さなくても伝わる」「空気を読む」力は美化されがち。確かに相手の心を慮(おもんぱか)るいい面もあるけど、そうした、価値観を共有している者限定のやりとりに慣れてしまうと、相手に自分の考えがしっかり伝わるよう思案して表現する力は育ちにくいのではないかしら。モリカケ問題がいい例かもね(笑)。

 また、一方的に自己主張するだけでは「対話」ではないわよね。ボクは兄弟の中で一番のお喋りで、昔、食事の時もずっと話し続けて「直樹、箸をつけなさい」と母によく叱られたわ(笑)。一方で弟は聞き役に徹することが多かったけど、社会人になって会社を興し多くの人たちとうまくコミュニケーションをとる姿を見て、「伝える力」のベースには「聴く力」が必須なんだなって実感したわ。年を重ねてますます、ボクも「聴く力」磨くわよ~♥