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火あぶり、首つり……13匹の猫を虐待した元税理士の“動機”

動物愛護議連で挨拶する杉本彩(2015年) ©共同通信社

 13匹の猫を虐待したとして動物愛護法違反の罪に問われた元税理士、大矢誠被告(52)の初公判が11月28日、東京地裁(細谷泰暢裁判官)で開かれ、大矢被告は起訴事実を認めた。検察側は懲役1年10月を求刑し、弁護側は執行猶予付きの判決を求めて結審した。

 大矢被告は昨年3月~今年4月、埼玉県深谷市内で、猫に熱湯をかけたり、ガスバーナーの火を近づけたりして9匹を死なせ、4匹にけがを負わせたとして起訴されている。逮捕時は税理士だったが、初公判では「無職です」と述べた。

 公判を傍聴した記者が話す。

「起訴された内容には、ロープで猫の首を吊ったり、猫を金属製のカゴに入れ点火済みの爆竹を投入した、とされるケースもありました。被告は、そうした様子を撮影した動画をインターネットに投稿していました」

 大矢被告は、被告人質問で犯行の動機について「家の周りが猫の糞尿被害に遭い、飼っていたメダカや金魚を殺されたことがあった。自分が猫に手をかまれたことで(虐待行為が)エスカレートした」などと発言。ネット投稿した動画については、「『もっとやれ』といった反応もあり、抵抗感が薄れて投稿が目的になっていった」と語った。

 検察側は論告で「被告は犯行を繰り返すうちに、猫をいたぶることに楽しみを覚えていった。ネットに投稿した動画は、閲覧者にトラウマを残しかねないもので、犯行後の状況も悪い。再犯の恐れも大きい」と指摘した。

 公判には、大勢の愛猫家が詰めかけ、傍聴人は抽選となった。法廷に入りきれなかった人々は地裁の外で、被告を実刑とするよう求め抗議の声を上げた。

「法廷内には、女優で動物愛護活動家でもある杉本彩さんの姿もあり、公判後には報道陣に『被告を厳しく処罰してほしい』などと語りました。自身のブログでもこの裁判に触れており、弁護側が『動物愛護法違反より器物損壊罪の方が罰則が重いことを考慮してほしい』と主張したことを取り上げ、『納得いかなかった』と憤りをあらわにしています」(前出・記者)

 愛猫家でなくても眉をひそめたくなる、あまりに残忍な事件。判決は12日に言い渡される。