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電波少年的ユニクロ株主総会潜入からの、それぞれの「アポなし」

「週刊文春」12月14日号最新レビュー

2017/12/09
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 12年連続で視聴率三冠の絶対王者・フジテレビを94年に日テレが逆転する。その軌跡を戸部田誠が著す連載「日本テレビ『最強バラエティ』のDNA」、今週号は土屋敏男が話題の中心のひとりになっている。

土屋敏男 ©末永裕樹/文藝春秋

電波少年的ユニクロ株主総会潜入

 急に枠が空いたため、そこを埋める3ヶ月限定の番組企画をなんでもいいから明日までに持って来いと言われた土屋は、「やったろうじゃん!」と仮タイトルをつけた企画書を書き上げる。

「見たいものを見る、会いたい人に会う、やりたいことをやる」をコンセプトにするその企画は、「電波少年」の番組名で実現。3ヶ月どころか11年続き、「アポなし」取材でその名を残すことになる。

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「会いたい人に会う」でいえば、バイトとしてユニクロに潜入した横田増生が、今度は柳井社長に会うべく、株主総会に出席した。今週の文春、「ユニクロ潜入記者 柳井社長と直接対決!」はそのルポだ。

柳井正社長 ©共同通信社

 株主総会に出るためには株主にならなければならない。そこでユニクロ株100株を約350万円で購入する。ユニクロのバイト代を時給1000円とすれば、3500時間分に相当する金額である。そうまでするのは現在、柳井社長にインタビューを依頼しても、すべて拒否されるからだ。しかし株主総会なら「アポなし」で会え、質問できるのである。

 横田は実はヤマト運輸の株主総会にも出かけている。文春7月6日号掲載の「株主総会潜入失敗 ヤマトに私が一番聞きたかったこと」がその際の記事である。このときは、株主でなく、その代理として出席を目論むが、代理人の出席は認められないと追い出される。