昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

連載THIS WEEK

公明山口代表はカジノ反対
都議会は自民と決別の狙い

source : 週刊文春 2016年12月29日号

genre : ニュース, 政治

カジノ法では苦渋の自主投票
Photo:Kyodo

 12月15日未明、カジノ解禁法が成立した。注目を集めた公明党の山口那津男代表は反対票を投じ、連立与党の自民党と投票行動が分かれる異例の事態となった。

 その直前、激震が走った。都議会公明党が、1979年から二人三脚で歩んできた都議会自民党との「決別」に踏み切ったのだ。

 きっかけは、公明党がとりまとめた議員報酬削減案。小池百合子都知事が、年収を半減させ、都議を下回ったため、公明党は議員報酬2割削減案を打ち出した。だが、小池氏と対立を深める自民党は猛反発。そこで都議会公明党の東村邦浩幹事長は「自民党との信義の観点でやってきたが、完全に崩れた」と明言。さらに「(小池氏の)東京大改革は大賛成だ」と付け加え、“小池与党”を宣言したのだ。

「都議会公明党は『反小池』では、来年7月の都議選は戦えないと危機感を強めていた。報酬削減はもともと公明党が積極的に取り組んできた分野で大義名分にしやすかった」(都政担当記者)

 創価学会関係者が明かす。

「うちの会員、特に女性は小池さんを支持している。それに、都議選で公明が候補を立てるのは、複数区ばかりで自民は競争相手。そこに小池新党の候補者が立てば、割りを食うのは公明になりかねない」

 公明党が「知事与党」に居たい事情は他にもある。「支持母体の創価学会は、1952年に宗教法人として都知事から認可されており、都政との関わりは深い。1995年に宗教法人法が改正され、管轄は文部科学省に移ったが、工事、福祉関係など、都が持つ権限は大きい。公明党は地方でこそ与党であらねばならないのです」(前出・記者)

 もともと公明党内で都議の存在感は大きく、藤井富雄元都議は国政にも大きな影響力を持っていた。

「小池知事も藤井さんに会ったと聞いています。藤井さんは自民党都議会のドン・内田茂氏と会うように勧めたが、小池知事は断ったとか」(公明党関係者)

 問題は、都議会での決別が、国政にも影響を及ぼしかねないことだ。

「7月の都議選で公明党と戦った直後に、衆院選の小選挙区で選挙協力というわけにはいかない。来年中の解散総選挙はほぼ不可能になる」(自民党関係者)

 日露交渉が空振りに終わった安倍政権。さらに公明党との亀裂で解散時期はさらに難しくなりつつある。