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伊藤智仁は何故「BCリーグの監督」就任を選んだのか

文春野球コラム ウィンターリーグ2017

2017/12/14

独立リーグの厳しい現実

 以前、貴規、江村将也といった元ヤクルト選手が在籍していた頃、福島ホープスの試合に何度か足を運んだ。岩村明憲監督を取り上げたTV番組も見た。それまで独立リーグに関する知識は乏しかったが、内情を知り一層応援したくなった。球団代表としても尽力する岩村監督には尊敬しかない。

 選手の給料の低さだけでも驚く。10月から3月は無給。選手はバイトで何とか暮らす。練習生は無給。何年も続けることすら難しい。スタッフも少なく、岩村監督は手ずからノックや打撃投手をし、NPB球団にも働きかけ続けていた。それでもNPBの門はなかなか開かない。貴規も江村も程なく福島を去った。

 今秋のNPBドラフトでは何人も指名が出たチームがあったが、地域もチームも盛り上がる一方、目立った選手が抜けるとチームが弱くなることも多い。夢を諦めた選手が毎年何人も辞めていく。強いチームでい続けるのは難しい。地域に貢献し、地域に密着したスポーツビジネスとして成り立たせるためにも、監督の果たす役割は大きいはずだ。

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 独立リーグ自体まだ発足して10数年、BCリーグの歴史も10年。リスクはあるが、リーグも球団もこれからの可能性を秘めている。高名な監督の影響力は大きいし、チームのために自分のネームバリューはとことん使うだろう。足りないものの多い中、伊藤監督はどう動くのか。想像するだけでワクワクする。

 早速富山GRNサンダーバーズの後援会に入会した。BCリーグも西地区だと、関東には年に何度かしか来ない。富山は遠いが行ける距離だ。泊りがけで見に行って富山の美味しいものを食べるといった楽しみもある。独立リーグは観客と選手の距離も近いから、選手を覚えれば興味も増す。知った選手がNPBに行けば嬉しいだろう。遠くて行かれない人でも、注目し声援を送るだけで違う。後援会での貢献もできる。ファンが集まれば、チームにとって大きな力になれるのだ。

 さて、レギュラー会員で8枚(早期入会特典で+2枚)付くチケットを何枚使えるか。頑張って富山に行った暁には、笑顔と勝利のダブルピースを見せて頂きたいと思う。

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