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最新海外オンライン事情 米国トレンドから見えた「編集力」というメディアの活路

最新海外オンライン事情 米国トレンドから見えた「編集力」というメディアの活路

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『編集会議』2017年秋・冬号「シン・編集力」特集の「海外レポート 米国メディア・トレンドを現地取材」では米国の新興ウェブメディアの動向を探っていた。2018年のオンラインメディアトレンドのキーワードは、ずばり「狭く深く」。『編集会議』編集部に、米国オンライン事情をあらためて論じてもらった。

 

 米国のメディアの潮流は日本より2~3年先行していると言われます。なにか今後の日本のメディアについてのヒントを得られるのではないか。そんな思いを抱き、編集・メディア専門誌の『編集会議』では、2017年5月に行った、メディアトレンドの発信源である米国ニューヨークでの取材をもとに、あらためて米国ウェブメディア情勢を分析したいと思います。

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「狭いテーマにフォーカスし、深い読者に支持されるメディアが増えている」

 メディアの未来戦略について積極的な提言を行うジェレミー・キャプラン氏(ニューヨーク市立大学ジャーナリズム大学院教育担当ディレクター)に米国メディアのトレンドを聞いてみると、真っ先に挙げたのが「狭いテーマにフォーカスし、深い読者に支持されるメディアが増えている」ということでした。

ジェレミー・キャプラン氏 Photo_GION

 米国の代表的なメディアとして挙げられることの多い「ニューヨーク・タイムズ」や「ワシントン・ポスト」、あるいは最近では「バズフィード」などのように、広いテーマをカバーするメディアはより多くの読者を獲得することを目指しています。一方で、ここ数年で台頭している狭いテーマを深掘りする新興メディアの当面の目的は、少数でも熱心な読者と深い関係性を築くことなのです。