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五輪連覇に“黄信号”点灯か 羽生結弦が明かした深刻な現状

ケガをした直後、顔をしかめる羽生 ©共同通信社

 男子フィギュアスケートの羽生結弦選手(23)の五輪連覇に“黄信号”だ。先月9日のNHK杯公式練習中に転倒し、右足関節外側靱帯を損傷。復帰には4~5週間かかるとみられていたが、そのプラン通りには進んでいないことが明らかになったのだ。

〈だいぶ良くなりましたが、まだ痛みがあるため氷上練習はできていません〉

 今月10日、羽生はスケート連盟を通じて、こう発表して以降、続けざまにケガの回復状況を発信していた。

〈通常の捻挫よりも治りが長引く靱帯を損傷していることが分かりました〉(13日)

〈腱と骨にも炎症があるため、治るスピードが早くはありません。/いつから練習を再開出来るかは、まだ決まっていません〉(14日)

 一連の発表は、平昌五輪代表の最終選考を兼ねた全日本選手権(21日~24日)への出場は絶望的であることをうかがわせた。

 羽生自らによる小出しの情報発信の背景を、スポーツ紙デスクが解説する。

「選考基準を考えれば全日本を欠場しても彼が選ばれるのは明らか。それでも本人は出場を模索したものの、無理だという結論になった。ただ、スケート連盟としては、日本フィギュア界の“金看板”の早々の欠場発表は避けたかった。結局、連盟が正式に羽生の欠場を発表したのは、大会3日前の18日でした」

 五輪本番まで2カ月を切ったが、果たして羽生は間に合うのだろうか?

「現在、羽生は本拠地をカナダのトロントにおいており、チーム羽生のガードも固いため、本当の状態は正直、わかりません。ただ故障が完全に治ってからも、氷上でのリハビリを経てジャンプなどの練習をし、曲に合わせて作り上げていかなきゃならない。相当な綱渡りです」(同前)

 元フィギュアスケーターの渡部絵美氏はこう語る。

「1カ月以上氷に乗っていない状況ですから、試合勘が心配です。それでも羽生選手は一発勝負でも金メダルを獲れる位置にいます。ライバルのネイサン・チェン選手(18・アメリカ)が、あれだけ4回転ジャンプを飛んだとしても、芸術性や演技の完成度では羽生選手の方が上。じっくり休んでから準備して欲しい」

 数々の奇跡を実現させてきた羽生の底力に期待したい。