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「ガースー決壊」 菅官房長官を「毎日新聞」が攻める攻める責める――2017 BEST5【ビジネス・政治部門 3位】

「ガースー決壊」 菅官房長官を「毎日新聞」が攻める攻める責める――2017 BEST5【ビジネス・政治部門 3位】

新しい政治コミュニケーションとしての「菅話法」

2017/12/29
note

「土俵に上がらないから負けない」論法

 しかし、「コッカイオンドク!」には最強のライバルがいるのではないか?

 菅官房長官である。その理由の前に、菅氏の「言葉」に関する記事も最近多いので紹介しよう。

「勝負避ける『菅話法』とは」(毎日新聞・6月15日夕刊)

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「全く問題ない」菅官房長官 ©JMPA

 菅氏がよく使うフレーズと言えば「そのような指摘は当たらない」「全く問題ない」。

 この話法の意味を映画監督の想田和弘氏が記事中で分析する。

「菅氏の言葉は、相手の質問や意見に対して、正面から向き合わないことに特徴があります。『その批判は当たらない』など、木で鼻をくくったような定型句を繰り出すことで、コミュニケーションを遮断する。実質的には何も答えない。したがってボロを出さないので無敵に見えるのです」

ささやく官房長官 ©杉山拓也/文藝春秋

 質問者が正面からぶつかればぶつかるほど、相撲の技で言えば「肩すかし」を食う状態に似ている。そう思って記事を読んでいたら、

《つまり、相撲にたとえると「土俵に上がらないから負けない」論法だ。》

 あ、土俵にすら上がってなかったわけか。

 私が先ほど「コッカイオンドク!」の強敵は菅官房長官ではないかと書いた理由はここにある。感情の温度が低くてコミュニケーションの意思がないようにみえるので、わざわざ「音読」をしなくても「何を言っているかわからない」ことは歴然だからだ。