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ウィッキーさん、まさかの反撃! 7カ国対抗 外国人新春句会【初夢編】

一期一会 ありえない7人が集まった「俳句バトル」

source : 文藝春秋 2009年12月号

genre : エンタメ, 読書, アート

金子 今日は日本語で活動されている各国出身のみなさんで句会をしようということでお集まりいただきました。我々日本人の日本語じゃ出てこない発想もあるでしょうから、私も楽しみだ。初めての俳句だからと気構えずに遊びの気持ちでいきましょう。

あの正岡子規の住まいで「俳句バトル」

 お招きいただいたこの「子規庵」は俳句の正岡子規と関係ある場所なんですか。

金子 ここは子規が34歳で臨終を迎えた住まいを再建したものなんです。辞世の句は「痰一斗糸瓜の水も間にあはず」「糸瓜咲て痰のつまりし仏かな」「をととひのへちまの水も取らざりき」。

宗匠・金子兜太(俳人・日本代表)

ヴルピッタ 庭に立派な糸瓜がありますね。この部屋に臥せながら、子規は最期まで目に見えた風景を俳句にしたためたのですね。

金子 そう、だから彼が亡くなった9月19日は糸瓜忌というんです。ロマノさんは大学で日本文化を教えているだけあって子規の写生句についてもご存知のようですな。

ゾペティ 床の間の画は?

金子 これは子規の自画像だね。俳聖子規に見守られながら、句会を始めることにいたしましょうか。

「初夢」の季題で、みなさんには2句ずつ作ってきてもらいました。私の1句も入っているから全部で13句です。これらをシャッフルし、編集部に清書してもらって回覧しますから、いいなと思った句をみなさんそれぞれで3句選んでください。もちろん自分の句を選んじゃだめですよ。1人だけが選んだら1点句。2人なら2点句。点数の多かった句からみなさんで合評していきます。選ばれても名乗らないでくださいね。作者は句会の最後に発表です。

ビナード 点がしこたま入ってもポーカーフェイスですね。

金子 イエース。では初夢の13句お披露目いたしましょう。

13句、お披露目

参加者が短冊に書いた13句

 初夢に北風の音騒ぎいる

 初夢で旅路さまようほのぼのと

 初夢や我が故郷に帰るかも

 眠れぬも初夢抱き春描く

 初夢を告げ合ふ男女銀座線

 初夢の当たる確率求めよう

 初夢に小さき望みをあづけたり

 初夢を忘れて妻の貰い受ける

 初夢に若き子規の死繰返えす

 初夢や夫婦喧嘩で怖き夢

 初夢やパークの緑ます目差す

 初夢を忘れない為策を練る

 初夢に夜風が届く除夜の鐘