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ノストラダムス五島勉の遺言「終末を思え、道は開かれる」

作家・五島勉インタビュー #2

2018/01/01
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大ベストセラー『ノストラダムスの大予言』を書いた五島勉さんとは、一体どんな人生を歩んできた人なのか? インタビュー後半では今から60年前、週刊誌ライターとして活躍していた時代のこと、そして戦争経験者として語る「日本への遺言」をお話しいただきました。(前編より続く)

五島勉さん。昨年88歳になった

ライター歴60年以上 『女性自身』に創刊号から書いてるんです

―― 『ノストラダムスの大予言』を書くまで、五島さんは週刊誌のライターとして長くご活躍だったんですよね。

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五島 上京後しばらくしてから、出版社が次々と週刊誌を創刊する時代になりました。私は、光文社の『女性自身』に創刊号から書いてるんです。

―― 『女性自身』は、立ち上げから2ヵ月という短期間で創刊されたとか。

五島 もうゴチャゴチャ。しかも美智子さまブームの直前で、皇太子妃候補をピックアップして、何人もの人を追っかけたり張り込んだりと、こっちも必死でしたね。

―― その頃の記事で、今でも覚えているものはありますか?

五島 創刊してすぐにスチュワーデス殺人事件がありました。後に松本清張さんが、それを題材に小説を書いてますね。

 

―― 『黒い福音』ですね。あの事件を担当されたんですか!

五島 はい。BOAC航空のスチュワーデスが、杉並区の善福寺川で殺されてたんですが、どういうわけだか発見直後に私たちのところへ情報が入ったんです。川に行けばまだ死体があるというから、みんなですっ飛んで行った。たしかに川の中で死んでました。もう警察が来てましたけどね。

―― すごい現場に立ち会われたんですね。

五島 カトリックの外国人の神父さんが疑われたんですけど、よく分からない。事件の背後関係が極めて奇怪で、今でも怖いです。たぶん麻薬がらみだったと思うんだけど、BOACの中に外国とすごい取引をしていたグループがあったらしく、のち関係者が100人近く処分されるということもありました。だけど、事件は結局うやむやになりました。