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“打倒ソフトバンク”に燃えるライオンズ 優勝のカギを握るのは?

文春野球コラム 2017 to 2018

2018/01/06

 先日、辻発彦監督に思い出に残るシーンを聞いてみました。「う~ん、たくさんあるけど開幕戦のカットプレーですかね」の返事。私の思いとまったく一緒でした。3月31日に札幌ドームで行われた日本ハムとの開幕戦、2点を先制して迎えた3回ウラの守りの場面。一死後、西川遥輝が四球で出塁し、二死になり打席に大谷翔平が入りました。マウンド上は花巻東の先輩・菊池雄星で、場内の盛り上がりは十分。

 そして、大谷のバットから放たれた打球は右翼線に。一塁走者の西川はスタートを切っていましたので、1点は覚悟しました。ところが、打球を処理した木村文紀がカットに入った二塁手の浅村栄斗に好返球し、浅村も捕手・炭谷銀仁朗に無駄なく送球し、タッチアウト。ここで点を失うと単なる1点ではなく、大谷がたたき出した1点になりますので、雰囲気もガラッと変わってしまっていたでしょう。このプレーで、昨季の戦いの期待が大きく膨らんだものです。

開幕戦で見事なカットプレーを披露した浅村主将 ©中川充四郎

Bクラスから脱却できた大きな要因

 2016年まで3年連続のBクラス。とくに、一昨年は致命的な失策が多く、守備面が大きな課題でした。そこで、新任の辻監督が内野手の浅村を主将に指名し、内野の引き締めを目指しました。全試合で遊撃を守ったルーキー・源田壮亮の加入が活力源となり、チーム失策数は101から88と激減とは言えませんが、失点に結び付かないことが多く、チーム成績が12のマイナスから18のプラスに転じた大きな要因といえます。

 これは、2月の宮崎・南郷の春季キャンプで予感させるものがありました。ここ数年は練習中の声が小さく少なく、はっきり言って活気がありませんでした。ところが昨年は大きな声が飛びかい、投内連係メニューでは緊張を保ちつつ元気一杯で練習に臨んでいたものです。これは、時代が違うとはいえ辻監督の現役時の西武黄金期では当たり前だったこと。キャンプから守りに対する意識が高まっていたものでした。やっぱり、「声」はプラスアルファを発揮する効力があるものなのです。

辻監督と忘年会でのツーショット ©中川充四郎