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「超変革」のスローガン空しく
広島優勝の陰で“ダメ虎”復活

source : 週刊文春 2016年9月22日号

genre : エンタメ, スポーツ

ベンチでも浮かない表情
Photo:Kyodo

「日本中から舌打ちが聞こえてくるよ……」

 9月8日、巨人に逆転負けを喫した阪神OBが、こう呟いたとか。この日、阪神が勝っていれば、広島がマツダスタジアム開場以来最多となる3万2000人超のファンの前で、25年ぶりの胴上げを披露するはずだった。

 この負けで、阪神は甲子園での今季の巨人戦は10戦勝ちなし(1分け9敗)。「超変革」を掲げて華々しく就任した金本知憲新監督(48)だが、どうしてこうなったのか。

「8日の試合で、巨人に逆転された場面が象徴的です」とはスポーツ紙デスク。

 7回まで無失点だった先発・青柳晃洋が8回一死から連続死球で1、2塁のピンチを迎えると、藤川球児に継投、結果、巨人の坂本勇人に逆転3ランを喫した場面だ。

「“超変革”を謳うならルーキーの期待の星・青柳に『お前に任せた』と、経験を積ませるのが筋。監督は『投手のことは分からない』と公言し、矢野燿大作戦兼バッテリーコーチや香田勲男投手コーチらとの合議制で継投を決めているので、あの場面も彼らの意見に従ったんでしょう。ただ、藤川に代えるなら8回の始めからにすべき。コーチにも問題があります」(同前)

 特に解説者時代のシャープな分析を買われて、知恵袋的な役割を期待された矢野コーチは「作戦ミスが目立ち、力不足」(同前)と評される。

「とはいえ、彼らを選んだのは監督自身。現役時代は『アニキ』と呼ばれてた人なのに……思ったより器の小さい人でした」と指摘するのは、ベテランのトラ番記者だ。

「『俺が悪い』と自分のミスを認めるようになったのはごく最近で、それまでは失敗はすべて選手のせい。象徴的なのは7月の広島戦で序盤に5失点した藤浪晋太郎に懲罰的に161球投げさせた“事件”。人使いが下手すぎて、選手も呆れてます」(同前)

「超変革」の成果といえそうなのは、高山俊をはじめ、若手の積極的起用だが――。

「114試合消化の時点で100通りのオーダーを組んだと話題になりましたが、いつまで試してるんや! という話です。オーナー肝いりの監督ですから周囲はイエスマンばかりで、雰囲気も悪い。最下位転落もありえますね」(同前)

 真っ先に「超変革」すべきポイントは明らかだ。

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