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Q2 どんな人が、がんになりやすいの?――がんにまつわる素朴な疑問 Q&A

2018/01/16

 生涯で2人に1人がかかると言われる「がん」。でも、知っているようで、知らないことも多いのではないでしょうか。そこでジャーナリストの鳥集徹さんに、素朴な疑問をぶつけてみました。参考文献として信頼できるサイトのリンクも紹介しています。いざというときに備えて、知識を蓄えておきましょう。

A2 タバコ、ウイルス感染、飲酒、糖尿病もリスクになります。

 国立がん研究センターなどの研究によって、どんなことが日本人のがんの要因になっているか、ある程度明らかになっています。それを見れば、どんな人ががんになりやすいのかがわかります。
 
 第一が「タバコを吸う人」です。男性がとくに高く、がんの要因に占める喫煙の割合は29.7%と算出されています(女性は5%)。タバコが「肺がん」の原因になることはよく知られていますが、「胃がん」「食道がん」「肝がん」「膵がん」「頭頸部がん(口腔がん、咽頭がん、喉頭がんなど)」「膀胱がん」「子宮頸がん」、そして「全がん」のリスクを上げることが「確実」と評価されています。また、受動喫煙の害も無視できません。自分だけでなく家族を守るためにも、喫煙者はぜひ禁煙にチャレンジしてください。

 次が、がんを引き起こすウイルスなどに「感染している人」です。がんの要因に占める感染の割合は意外に高く、男性は22.8%、女性は17.5%もあります。代表的なのが「C型・B型肝炎ウイルス(肝がん)」、「ヘリコバクター・ピロリ(いわゆるピロリ菌、胃がん)」、「ヒトパピローマウイルス(子宮頸がん)」です。抗ウイルス薬が進歩したおかげで、C型肝炎ウイルスはほとんど駆除できるようになりました。ピロリ菌も除菌することができますので、感染が分かった場合には専門医に相談するべきでしょう。

 三つ目が「お酒を飲む人」です。がんの要因に占める飲酒の割合は男性9%、女性2.5%と算出されています。アルコールは量を飲むほどがんのリスクが上がるので、がん予防法ではビールなら大瓶1本、日本酒なら1合、ウイスキーならダブル1杯程度の節度ある飲酒が勧められています。とくにお酒を飲んで顔が赤くなる人は「食道がん」のリスクが上昇するので要注意。これにタバコまで吸うと食道がんリスクが3倍以上になります。

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 それから、がんになりやすい病気もあります。代表的なのが「糖尿病」です。国内の大規模調査に基づく研究で、糖尿病は「全がん」のリスクを1.2倍押し上げることがわかっています。とくに「大腸がん」(1.4倍)、「肝がん」(1.97倍)、「膵がん」(1.85倍)が、リスクが高いという結果でした。

 糖尿病になると神経、眼、腎臓に合併症が出て、心臓病や脳卒中のリスクが高まりますが、がんにもなりやすくなるのです。ですから、糖質やカロリーを摂り過ぎないようにしてバランスのいい食事を心がけ、適度に運動することが大切です。

 この他に、がんリスクの高い人と言えるのが、「高齢者」です。年をとれば誰もががんにかかりやすくなります。どんなに健康的な生活をしていてもがんになる人はいますが、健康寿命を延ばすためにも、がんの予防を心がけてください。

【参考】「科学的根拠に基づくがん予防」(国立がん研究センターがん情報サービス)