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ポスト朴に急浮上
韓国のトランプとは何者なのか?

source : 週刊文春 2016年12月8日号

genre : ニュース, 政治, 国際

李氏は大統領選への出馬を明言している
Photo:Kyodo

「チェ・スンシルゲート」に揺れる韓国で、“ポスト朴槿恵”としてにわかに注目を集めている人物がいる。

 11月25日、ブルームバーグ通信は〈有権者の怒りにポピュリズム台頭 韓国版トランプの支持率が上昇〉という記事を掲載。次期大統領候補として、世論調査で文在寅「共に民主党」前代表、潘基文国連事務総長に次ぐ3位に急浮上した李在明城南市長(51)にスポットを当てた。同紙は李氏を、〈既得権勢力に対抗する人〉と評して“韓国のトランプ”になぞらえた。

 李氏は1964年、慶北安東市の貧しい家庭に生まれた。小学校を卒業後に工場で働きながら大検認定を受け大学に進学、司法試験に合格した。弁護士時代は、市民運動家としても活躍した。05年政界を目指し、城南市長選に挑戦するも落選。10年に再挑戦して初当選を果たした。

 人口97万人の城南市長としての行政手腕はどうなのか。

「中学の新入生の制服購入費を支給したり、青年たちに年間20万円程度の手当を支援するなど、前例のない政策を推進しました。人気取りとの批判もありますが、若者の支持を得ることには成功しました。ただ実績と呼べるようなものは、ほとんどありません」(現地記者)

 経歴ではトランプ氏と真逆の李氏が“韓国のトランプ”と称されるのは、SNSなどでの歯に衣着せぬ“暴言”ゆえだ。朴大統領に対して〈大統領ではなく日本のスパイ〉と発言したことも。

「そうした暴言が朴政権に失望した人たちの支持を集めている。また日本に対して、“日本は安保における敵”と公言していることも、韓国のネットユーザーを中心にウケています」(同前)

 慰安婦問題をめぐっては、李氏は14年に城南市役所前に新しい慰安婦少女像を建立。日韓慰安婦合意は無効だ、とも主張している。

 李氏が大統領候補になることはありうるのだろうか。

「実は彼には、弱点も多い。側近が何人も不正事件で逮捕されており、私生活でも不倫疑惑や飲酒運転、経歴詐称などの前科がある。論文剽窃で修士号が取り消されたこともあります。民主党の候補選では苦戦は必至です」(同前)

“トランプ・ショック”は悪評をも吹き飛ばすのか。

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