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行動するためには“気分”が大事

『結局、「すぐやる人」がすべてを手に入れる』 (藤由達藏 著)

2016/08/31
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10秒というわずかな時間を大切にすることで、人生が変えられるとしたら?

 そんな刺激的な提案をする自己啓発書が、今、爆発的なヒットを記録している。著者は長年メンタルコーチとして活躍してきたものの、書き手としてはほぼ無名。話題性ではなく、内容の力のみでこの売れ行きというから、恐れ入る。

「先延ばし癖がある人って、世の中に結構いますよね? そういう人が一歩踏み出せるようにするには、どうしたらいいのか。著者の話に触れるうちに、そうした『行動力』をテーマにした本の企画を思いついたんです。著者は会社員時代に労働組合活動をしていて、すぐ行動できない社員たちの姿を間近でたくさん見てきたとか。だからこそ、そういう人たちの気持ちがよくわかるんです」(担当編集者の手島智子さん)

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 本書の通奏低音となっているのは、行動するために重要なのはモチベーション(動機)よりも「気分」である、ということ。

「『気分』が人の行動力を左右するというのは類書にない視点なので、そこは編集する上でも大事にしました。実際、“どうやって気分を変えるか”というポイントに大きな反響が寄せられています」(手島さん)

 韓国など海外にも熱い読者が存在し、また、購入者の男女比も、類書では異例のほぼ半々だという。自分で読むのはもちろん、ぐうたらな配偶者に、そっと手渡すと効果的かも。

結局、「すぐやる人」がすべてを手に入れる

藤由 達藏(著)

青春出版社
2015年7月1日 発売

購入する

2015年7月発売。初版7000部。現在24刷28万部

行動するためには“気分”が大事

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