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「進化型ラブホテル」が一般ホテルの先を行く理由

「進化型ラブホテル」が一般ホテルの先を行く理由

「レジャーホテル」はいま #2

2018/01/20
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まさに「いいとこ取り」のレジャーホテル

ホテルバリアンリゾート(新法/新業態チェーンタイプ)首都圏を中心に関西にも

 

 カップルユースは想定されているものの、もはや“ラブ”とはいえない、レジャーホテルにもカテゴライズできないブランドが注目されている。それが新業態として紹介したいのが「ホテルバリアンリゾート」だ。充実したパブリックスペースなどで、カップルばかりでなく多様なゲストにも人気を博している。

 バリのリゾートを意識した館内、開放感ある客室タイプが積極的に導入されている。もはや、新法ホテルという表現は必要ないほどに、ごく自然に設置されているフロントが印象的。アメニティバー、ドリンクバーなどロビーラウンジで無料提供。ロビーラウンジでカップルがワイワイドリンクやスイーツを楽しむ姿もここでは当たり前の光景。

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 女子会プランの積極的な打ち出しでも知られるブランドである。関連ブランドの新規開業でいえば、2017年2月にオープンした「ホテル・プティバリ東新宿」に注目。歌舞伎町のレジャーホテルエリアから最も明治通りに近い立地ではあるが、道路に面したオープンエアのロビーラウンジにレンタサイクルまで並ぶ。訪日外国人客に人気のサービスだという。

 

 デイユースなどレジャーホテルのサービススタイルを踏襲しつつも、パブリック機能が高く、リゾートホテル、シティホテル、ビジネスホテルなど様々なホテル業態のエッセンスを意識した“いいとこ取りホテル”ともいえるだろう。まさに新業態の具現化である。

* * *

 クローズドなイメージのあった業界において、異業態で成功する運営会社や若き経営者の手により、斬新な発想とコンセプトを持つレジャーホテルが多く出現している。本来のカップル利用を基本としつつ、伝統的なサービススタイルからの脱皮に、いま業界は試行錯誤の過程にある。

 新たなステージを迎えつつあるレジャーホテル。もはや「ラブ」ではなく、まさに「レジャー」といえる業態。一般客にとっての利用は、まだ抵抗感や戸惑いなどがあるなかで、これからレジャーホテルはどのような進化を遂げるのか。今後ますます真価を問われていくだろう。

「進化型ラブホテル」が一般ホテルの先を行く理由

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