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Q6 がんを疑うのは、どんな症状のとき?――がんにまつわる素朴な疑問 Q&A

2018/01/30

 生涯で2人に1人がかかると言われる「がん」。でも、知っているようで、知らないことも多いのではないでしょうか。そこでジャーナリストの鳥集徹さんに、素朴な疑問をぶつけてみました。いざというときに備えて、知識を蓄えておきましょう。

A6 咳、声のかすれ、便の異常、出血……気になる場合は病院へ。

 がんによって起こる初期症状は種類によって様々ですが、どんな場合には病院に行くべきか、いくつか典型的な症状を書いてみました。

 まず「咳」です。風邪やタバコの吸い過ぎでも咳は出ますが、いつまでたっても治らない場合には肺がんに注意が必要です。「息切れ」や「息苦しさ」が続く、「痰に血が混じる」「背中の痛みが続く」といった場合も、肺がんや食道がんの可能性があります。

 のどの不調では、「声のかすれ」が続く場合も注意してください。咽頭がんや喉頭がんの可能性があるからです。それだけでなく、声のかすれは食道がんによっても引き起こされます。進行すると食道の近くを通る声の神経が壊されてしまうからです。「飲み込んだときの痛み」や「食べ物がつかえる感じ」が続く場合も、喉頭がん、咽頭がん、食道がんに注意してください。
 

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 食道がん、胃がん、大腸がんなど消化器のがんは、「便の異常」で見つかることも少なくありません。「真っ黒なうんこ」が続く場合は、食道や胃のがんから出血している可能性があります。これに対し大腸がんは、「真っ赤なうんこ」や「突然の下血」で見つかることがよくあります。さらに大腸がんでは、腫瘍が腸管をつまらせることで、しつこい「便秘」や「下痢」になり、腸閉塞による「嘔吐」を引き起こすこともあります。

 逆に「うんちが真っ白」なときも要注意です。肝胆膵がん(肝がん、胆道がん、膵がん)のために胆管がせき止められ、胆汁が腸管の中に流れなくなっている可能性があるからです。一方、せき止められた胆汁は血管の中に入り、「黄疸」を引き起こします。「白目が黄色い」「疲れがひどい」「皮膚がかゆい」「おしっこの色が濃い」といった場合、肝胆膵がんによって黄疸になっている可能性があります。

 乳がんでは「しこり」を気にする人が多いはず。専門家でなければ区別は困難ですが、一般的に「梅干しの種のような硬いしこり」は要注意と言われています。また、おっぱいに「ひきつれやくぼみができる」「急に左右のかたちが変わる」「乳頭から分泌物が出る」場合も、乳がんの恐れがあります。

 さらに女性では、「不正出血」にも注意が必要です。子宮がん(子宮頸がん、子宮体がん)の恐れがあるからです。「真っ赤なおしっこ」あるいは「茶色のおしっこ」が出た場合は、膀胱がんや前立腺がんかもしれません。男性ではおしっこが出なくなったり、頻尿になった場合も、前立腺がんの可能性があります。

 こうして書くと、思い当たる症状ばかりで怖くなるかもしれません。しかし、がんによる症状でない場合も多いので、不安になり過ぎないことも大切です。それより、もし心配な症状があった場合には、早めに病院で診てもらってください。症状が出てから治療しても、治せる可能性があるからです。