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五輪女子アイスホッケー「南北合同チーム」に韓国の若者が反発する理由

2018/01/26
昨年4月に対戦した韓国と北朝鮮 ©共同通信社

 17日、平昌五輪の女子アイスホッケーにおいて、韓国と北朝鮮が合同チームを組むことが発表された。

「(合同チーム結成は)アイスホッケーが不人気種目としての悲哀をそそぐ良い機会になるのではないか」

 韓国の文在寅大統領は、そう胸を張ったが、国内では批判が殺到しているという。

「実力的に劣る北朝鮮の選手が加わることで、韓国の選手たちが出場機会を奪われるのは“不公平だ”という怒りの声が、若者たちを中心に広がっています」(韓国紙記者)

 世論調査では、72%が合同チームに反対しているが、20~30代の世代では、反対が82%に達している。

 ネット上には、韓国の若者のこんな声が溢れている。

〈韓国の選手たちと就活中の私たちの境遇は同じだ。一生懸命に努力して、やっと面接の機会を得たのに、天下りの人と一緒に面接を受けろ、ということではないか〉

〈公正な社会を作ると公言した文在寅政府がこのような独断的な選択をしたことに憤怒する。私の手で選んだ大統領に裏切られた気分がする〉

韓国に到着した北朝鮮女子アイスホッケーチーム ©時事通信社

 前出の韓国紙記者が、その背景を解説する。

「南北が合同入場した02年の釜山アジア大会では、当時の韓国の大学生は北の美女応援団を大歓迎しました。しかし、今の若者は北の核やミサイル実験を見て成長してきた世代。彼らに北朝鮮は同胞という意識は薄く、“別の国”というイメージが強い」

 文政権にとってコアな支持層である若者の反発を招いた影響は如実に現れている。

 調査会社「韓国ギャラップ」が19日に発表した政権支持率は、前週から6ポイント下落の67%。4カ月ぶりに7割を割ってしまった。

「文大統領は平昌五輪への北朝鮮選手団参加を機に、金正恩委員長との首脳会談につなげようと前のめりになっている。その足元を見られて、北朝鮮に揺さぶられていますが、国内の若者からも見切られ始めています」(同前)

 結局、平昌五輪には北朝鮮から5種目22人の選手が参加するが、これに140人の芸術団と230人の大応援団という大規模な“宣伝部隊”が派遣されてくる。

 韓国国内では「平昌五輪ではなく“平壌五輪”だ」という声しきりである。