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14歳の卓球王者・張本智和が「100年に1人の怪物」と呼ばれる理由

優勝し、雄たけびを上げる張本 ©共同通信社

 21日、卓球の全日本選手権を史上最年少で制した張本智和(14)には、日本の卓球界が改めて衝撃を受けた。

「弱点が見当たらない。100年に1人の怪物。中国をも倒せる、金メダルを獲れる卓球スタイルが確立されたと思う」(日本卓球協会の宮崎義仁強化本部長)

「たぶん、何回やっても勝てない。張本が出てくる前にたくさん(9回)優勝しておいて良かった。それくらい強い」(決勝で敗れたリオ五輪銅メダリストの水谷隼選手)

 98年に四川省から仙台の卓球クラブのインストラクターとして招かれて来日した両親の下で2歳から卓球を始めた張本は、小1から全日本選手権世代別カテゴリーを6連覇。専門誌記者はこう語る。

「卓球の世界では幼少期から1日7時間とか猛練習を積んで台頭するのが普通です。ところが張本は勉強もきちんと、という教育方針で卓球の練習は2時間程度。それでいて、バックから様々な回転をかけたボールを打てる技術の高さは当時から傑出していて、“なぜあの練習量で?”と関係者の間では、謎でした」

 14年に帰化した張本は中学生になると東京・北区のJOCエリートアカデミーに入り、今から1年前、13歳で日本代表に選出された。

「その直前に全日本選手権ジュニア男子の部の準々決勝で、まさかの敗退を喫しています。『死にたいと思うほど辛くて悔しかった』と本人が語る敗戦から、卓球に対する取り組み方が“別人のように変わった”と元中国代表でもある母の凌さんは語っています」(ベテラン記者)

 トレーナーの特別メニューをこなすことで筋力がつき、体脂肪率は1桁台に。大人の選手にもパワーで引けをとらなくなったという。

「技術面でも、やや苦手とされたフォアハンドが上達。バックでもフォアでも多彩に攻撃的なプレーができるようになった」(前出・専門誌記者)

 全日本を制した直後、本人は「ここからは自分の時代にしたい。東京五輪で金メダルを2つ(個人と団体)獲れるように頑張ります」と宣言したが、その可能性は――。

「大いにあります。技術はすでに日本一、いや世界でも有数のレベル。あとはメダルの色だけ」(前出・専門誌記者)

 東京五輪では“チョーレイ”の声が響き渡りそうだ。