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「オウム裁判」ついに終結 13人の死刑執行はどうなる?

死刑判決を受けたのは松本智津夫(麻原彰晃)教祖ら13人 ©共同通信社

 地下鉄サリンなど5事件に関わったとして殺人罪などに問われたオウム真理教元信者、高橋克也被告(59)の上告審で、最高裁第二小法廷(菅野博之裁判長)は、18日付で上告を棄却する決定を出した。無期懲役を言い渡した一、二審判決が確定する。

 これで1995年に始まったオウム事件の刑事裁判は全て終結することになり、関心は松本智津夫(麻原彰晃)教祖(62)ら13人の死刑囚に対する刑の執行に移る。

 司法担当記者が説明する。

「オウム裁判では、菊地直子元信者に対する最高裁の結論が先月出たばかり。高橋被告が『オウム最後の被告』でした。二審の時は、菊地元信者の判決と高橋被告の判決の間に1年弱の時間差があったので、今回、わずか2カ月間で相次いで最高裁が結論を出したのには驚きました」

 これは最高裁が結論を急いだ結果なのか? 一説には、1人の最高裁判事の突然の退官が関係しているという。

 最高裁には3つの小法廷という“裁判体”があり、高橋被告の事件は第二小法廷が担当していた。各小法廷には5人の裁判官が所属するが、第二小法廷には長官が含まれる。長官は通常、大法廷の審理にしか参加しないため、第二小法廷での審理は実質4人。その4人のうち、小貫芳信判事が健康上の理由で今月16日に退官したのだ。

「重要な裁判の場合、各小法廷では裁判官が集まって議論して結論を出すので、退官予定の人がいたら、なるべくその人の退官前に判断します。メンバー交代があると一から議論をやり直さないといけないからです。今回、第二小法廷は小貫判事の突然の退官と後任判事の着任で議論が振り出しに戻ってしまうことを懸念し、残った3人だけで結論を下したのではないかとの観測もあります」(同前)

 刑事訴訟法により、共犯者の刑が確定するまでは死刑を執行しないルールがあるが、高橋被告の刑が確定すると13人への執行が可能になる。ある法務省関係者は「執行の時期は慎重に検討しなければいけませんが、全員一斉の執行はとても不可能。首謀者とされる松本死刑囚から執行することになるでしょう。後継教団の信徒による妨害行為などへの警戒も必要です」と語る。Xデーに向けたカウントダウンが始まった。