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連載シネマチャート

中年医師と不思議な力を持つ青年との逃亡劇 「ジュピターズ・ムーン」を採点!――シネマチャート

〈あらすじ〉

医師のシュテルン(メラーブ・ニニッゼ)は、医療ミスで患者を死亡させたために病院を追われ、ブダペストの難民キャンプで働いている。国境警備隊・ラズロの違法発砲で負傷した患者を診察しようとしたところ、アリアン(ゾンボル・ヤェーゲル)と名乗るその青年が、宙に浮く光景を目撃する。アリアンを連れ出したシュテルンは、裕福な患者に奇跡を目撃させて、病気が治ると吹き込み金儲けを始める。その目的は、訴訟による賠償金と同等の金を遺族に渡して訴訟を取り下げてもらい、医師としてのキャリアを取り戻すことだった。一方のアリアンは、自身の違法行為をもみ消そうとするラズロにより、テロリストとして指名手配されてしまう。

〈解説〉

『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』のコーネル・ムンドルッツォ監督最新作。難民問題を背景に、キャリアを閉ざされた中年医師と、不思議な力を持つ青年との逃亡劇を描く。128分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★☆☆濁色の街並、笑わない人々、あまりに象徴的な天使イメージなど真面目ムードに耐え切れず。終盤の疾走シーンは好き。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★★☆話は意外に伸びないが、移動撮影のスピード感や、前景と背景の絡ませ方はこの監督ならではだ。見せびらかしではない。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★★☆自覚なく空中浮遊するアリアンは強烈に神がかっている。結末のシュテルンの微笑みは人生の執着から解放されたよう。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★☆☆奇才の力作。ただし大粒の寓意と娯楽要素がどこか混ざり合わない。傑作ゾーンに掠(かす)る瞬間は何度も認められるのだが。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★☆☆天に浮く男、脱走、襲撃場面など優れたカメラワークによる映像表現は見もの。主題の緩さが難点だがハイブリッドな寓話。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
2017©PROTON CINEMA- MATCH FACTORY PRODUCTIONS‐KNM
INFORMATION

「ジュピターズ・ムーン」(ハンガリー・ドイツ)
1月27日(土)より、新宿バルト9ほかにて全国公開
監督:コーネル・ムンドルッツォ
出演:メラーブ・ニニッゼ、ギェルギ・ツセルハルミ、ゾンボル・ヤェーゲル、モーニカ・バルシャイ ほか
http://jupitersmoon-movie.com/