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日本の“清掃道”に心酔したベトナム女性 憧れの国で清掃のスペシャリストに

東日本環境アクセスのプロフェッショナルたち #2

2018/02/16

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 JR東日本のグループ会社「東日本環境アクセス」は、首都圏を中心とした駅や駅ビルの清潔感を保つ「清掃のプロ」集団だ。清掃スタッフ約3800人が、それぞれのライフスタイルで日夜切れ目なく活躍している。

 子どもの頃から、『ドラえもん』や『名探偵コナン』など、日本のアニメが大好きだったというルオン・ティ・ニャム(LUONG THI NHAM)さん(26歳)。「いつか日本へ行きたい」と目標を立て、22歳で日本にやって来た。

「日本はきれいな国。どこへ行ってもきれいで驚く」

◆ ◆ ◆

駅のトイレがきれいで感動

 日本の第一印象を、「あまりにもきれいで、別の世界に来たのかと思った」と話すニャムさん。一流ホテルだけでなく、不特定多数の人が使う駅のトイレまでもが、いつも清潔に掃除されていることに衝撃を受けたという。

「駅のトイレがいつもきれいでいいなあと思っていたら、掃除専門の人がいるというので、また驚きました。そんな仕事いいな、私もやってみたいなと思いました。ベトナムはトイレがあまり清潔じゃないから、こんなにきれいにできる仕事を覚えたいな、って」

 ベトナムには、清掃の専門家はいないのだという。たとえばホテルのトイレ掃除は、ホテルのスタッフが、店のトイレは店のスタッフがやっているが、みんな「清掃のプロ」ではないので、「自分の家を掃除するようなやり方で掃除している」とニャムさんは指摘する。

「掃除に手順や方法があるなんて、この会社で働くまで知らなかった。鏡を拭くのに正しい順番があるって知ってますか? その通りにやると、きれいになるんですよ」

窓やガラスの拭き方にも手順がある

故郷での清掃指導に誇りと喜び

 ニャムさんは日本語の語学学校に通う留学生として来日した。ある日、駅のフリーペーパーで、JR東日本のグループ会社「東日本環境アクセス」が清掃クルーのアルバイトを募集しているのを見つけ、「これだ」と応募した。

「掃除のやり方を覚えて、どんどん掃除が上手になっていくのが嬉しい。ベトナムに帰国するといつも掃除してきます。きれいになって喜ばれるだけじゃなく、『こんなにきれいになるの!』と、いつも驚かれるのが嬉しい(笑)」

 今では帰国すると、近所の人や友達が、「掃除のやり方を教えて」とニャムさんの自宅を訪ねてくるという。「もう私、ベトナムでは『先生』です(笑)」

担当車両の清掃を終えて。「1車両すべてを任されるので、責任は重いけど、やりがいがあります」