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連載池上さんに聞いてみた。

池上彰氏が解説「世界中のリーダーに求められる資質とは?」

池上彰氏が解説「世界中のリーダーに求められる資質とは?」

池上さんに聞いてみた。

2018/01/30
note

Q リーダーとして、大切な資質は何だと思いますか?

「トランプ大統領が、アフリカやカリブ海諸国などを侮辱した」とされる問題を受けて、世界中で抗議の声があがりました。トランプ大統領については「またか……」という感じで失望しています。池上さんは、世界中のリーダーを取材されたと思いますが、リーダーとして大切な資質は何だと思いますか?(40代・女性・主婦)

A まずは「謙虚な姿勢」。次に「熟慮」と「決断」です。

 まずは謙虚な姿勢です。当然ですが、リーダーの意向に関係なく、周囲はリーダーを特別扱いします。いわゆる「敬して遠ざける」というわけです。その結果、自分の耳に痛い情報が入って来なくなります。これでは不十分な情報で決断することになります。失敗の原因です。

 長い間リーダーを続けていると、つい慢心やおごりが生まれます。それに本人が気がつかない。これが危険なのです。

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 自分にとって耳の痛いことを言ってくれた人を大切にすること。まずはここからです。

トランプ大統領 ©共同通信社

 次に大事なことは熟慮と決断です。リーダーたるもの、決断が大切ですが、軽はずみな判断で決断をすると、取り返しのつかないことになります。

 決断しなければならないときは決断する。しかし、失敗したと気づいたら、すぐに軌道修正する。「君子は豹変す」です。

 以上の観点から見て、トランプ大統領がリーダーにふさわしいかどうかは明らかでしょう。

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