〈あらすじ〉
かつて京都で豆腐作りの修行を積んだ島田勇作(小林稔侍)は、故郷の山間の村に戻り、町の主婦や料理店に手作りの豆腐を届けながら、一人娘の志保(壇蜜)と2人で暮らしている。ある日、亡き妻の遠縁にあたるという少年・政美(荒井陽太)が、警察官に付き添われて島田家を訪れる。東日本大震災の津波で家族全員を失い、親戚をたらい回しにされた政美にとって、勇作が最後の拠り所だった。心を閉ざしている政美を勇作は静かに見守り、政美は勇作の豆腐作りを手伝いながら、少しずつ心を開いていく。ところが、ある日大きな地震が発生すると、政美はパニックを起こして家を飛び出し、姿を消してしまう。
〈解説〉
『蝉しぐれ』の黒土三男の脚本・監督作。震災で心に傷を負った少年の再生を描く人間ドラマ。小林稔侍映画初主演作。108分。
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中野翠(コラムニスト)
★★★☆☆町おこし映画としては結構かと思うが、話が型通りで先が読めるのがツライ。山村の暮らしの細部をもっと見たかった。
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芝山幹郎(翻訳家)
★★☆☆☆善人だけが出てくる映画を撮るときは相当の工夫とたくらみが要る。背景の自然は美しいが、プラスワンが欲しかった。
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斎藤綾子(作家)
★★★☆☆優しく見守る豆腐屋の主人。カッコイイ整備工の娘。無口だった少年の表情に光が差す。大人たちの懐の深さに痺れた。
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森直人(映画評論家)
★★☆☆☆有難い手作り豆腐のはずだが、どうも箸が進まない。あまりに説明的な劇の運び。これでは巧い役者も平板に見えてしまう。
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洞口依子(女優)
★★☆☆☆里山の原風景、昔気質な職人、真っ向から向き合う震災孤児など素材は深く豊か。でもその素材が活かされぬ切なさも。
- もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
- 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
- 料金の価値は、あり。★★★☆☆
- 暇だったら……。★★☆☆☆
- 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
「星めぐりの町」(豊田市・映画「星めぐりの町」実行委員会)
丸の内TOEIほかにて全国公開中
監督:黒土三男
出演:小林稔侍、壇蜜、高島礼子、荒井陽太、神戸浩 ほか
http://hoshimachi.jp/
