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中国人窃盗団「ピンクパンダ」とは何者か? 宝石「爆盗り」で今年も逮捕

現場となった宝飾展のHP

 郵便配達員は2度ベルを鳴らすが、この窃盗団は何度でも現場を訪れる。

 世界を股にかけて宝石を泥棒する中国人窃盗団「ピンクパンダ」のメンバーの男女7人が、1月26日までに相次いで警視庁捜査三課に逮捕された。犯行現場は、ピンクパンダが昨年も一昨年も訪れ、逮捕された宝飾展だった。警視庁担当記者の話。

「逮捕されたのは何鳳英容疑者(33)ら。いずれも24日、東京都江東区の東京ビッグサイトで真珠やネックレスなど1500万円相当の宝飾品を盗んだ疑いが持たれています。この宝飾展は2年連続でピンクパンダによる窃盗が発生した『爆盗り』現場。三課は、今年も訪れる可能性があると踏んで現場を張り込み、案の定、現れたメンバーを逮捕しました。他にも被害が発生しており、ピンクパンダによる犯行とみています」

 ピンクパンダの名付け親は同じく被害に遭ったフランス警察だ。メンバーはほとんどが中国・湖南省出身。欧州からアジアまでを幅広く物色しては、宝飾品を盗み歩いてきた。警察が把握したころには他国に旅立っているため、摘発は困難。10年ほど前に同じように日本を含む世界中で宝飾品窃盗を展開した東欧系の窃盗団「ピンクパンサー」にちなんで命名された。

「あきれ果てるのはその貪欲さです。昨年、この宝飾展を訪れたメンバーは、更にその1年前、同じ宝飾展でダイヤの指輪を盗んだ当人だったのです。新旧のメンバーが毎年、会場に押し寄せているということ。国内最大規模の展示会で警備が行き届かないとみられたのか。日本の警察もなめられたものです」(同前)

 世界的には7年以上前から猛威を振るい始めたが、その手口は巧妙で、なかなか根絶の糸口はつかめない。メンバーは裕福な爆買い観光客を装い、宝飾店などを訪問。品定めするふりをして店員にショウケースから宝飾品を出させると、偽物にすりかえ、そのまま本物とともに消え去る。つまり、事前に模造品を製造した上で持ち込んでいるのだ。

 警察関係者は「本国に工場があるのだろう。犯行は続く可能性がある」と指摘。最近まで絶滅危惧種だった本物のパンダとは違い、悪いパンダは今後もなかなか絶滅しそうにない。