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中曽根孫の衆院選出馬を阻む
参院の一匹狼と“不肖の父”

source : 週刊文春 2016年4月21日号

genre : ニュース, 政治

康隆氏の祖父・中曽根康弘元首相

 衆参ダブル選が囁かれる中、衆院群馬1区が揉めている。

「週刊新潮で『女子大生買春疑惑』が報じられた現職の佐田玄一郎元行革相に対し、1区の自民党県議団が3月18日、次期衆院選で支持しない方針を発表。そこで、大勲位・中曽根康弘元首相の孫、康隆氏(34)が候補として浮上しています」(政治部記者)

 康隆氏は、小学校から大学まで慶応義塾で学んだサラブレッド。JPモルガン証券に勤務後、現在は父の弘文参院議員(70)の秘書として働く。

「康隆氏は、米国コロンビア大大学院に留学経験があり、同窓で同年代の小泉進次郎衆院議員や、加藤紘一氏の娘・鮎子衆院議員とは、知日派で知られる政治学者のジェラルド・カーティス氏を一緒に囲む間柄でした。義兄の川鍋一朗・日本交通会長を始めとする慶応出身の若手経済人を中心に人脈も幅広い」(同前)

 公認されれば当選確実と見られる康隆氏だが、待ったをかけたのが山本一太参院議員だ。「7つしかない群馬の国会議員の座を親子で占めるのはおかしい」として、1区選出だった尾身幸次元財務相の娘の、尾身朝子衆院議員(比例単独)の擁立を唱えている。

「前回も、佐田降ろしを模索する県議団に乗っかる形で康隆氏が党支部に公認申請したことに対して、山本氏が激怒。当時は山本氏の出馬すら取りざたされていました。お互いブログ上で批判合戦を繰り広げ、結局、党本部が佐田氏を公認することで“喧嘩両成敗”となりました」(同前)

 山本氏が敵愾心を燃やす相手は、実は康隆氏より父。山本氏は、参院改革を掲げて、弘文氏を党参院議員会長に担いで政審会長に就任した。しかし、敵が多い一匹狼の山本氏に辟易(へきえき)した弘文氏は翌年あっさり、「派閥の論理」をのんで山本氏を退任させたのだ。

 弘文氏は夏の参院選で6選を目指すが、康弘氏の時代から「中曽根ブランド」を支えてきた地元有力者は嘆息する。

「97歳の康弘氏が元気なうちに、康隆君が議員バッジをつける姿を見せてあげたい。弘文氏が引退すれば、康隆君の1区公認に反対する者はいませんよ。しかし、弘文氏は昔から聞く耳を持たない。もう1期続けて参院議長を狙っているようですが、それでは康隆君の政界デビューが6年遅れることになる。群馬県出身の元宿仁自民党事務総長も頭を抱えているそうです」

 保守王国を揺るがせているのは、“不肖の父”だった。