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「異端児」から総裁候補へ 存在感を増す河野太郎外相

英語力は歴代外相でもトップクラス ©共同通信社

 かつて「自民党の異端児」と言われた河野太郎外相(55)。ここに来て「ポスト安倍」のダークホースとして急浮上している。

「岸田文雄政調会長は、禅譲を狙っていまだに総裁選出馬を明言せず。石破茂氏、野田聖子総務相も党内支持が広がっていない。その中で河野氏が外相として結果を出し、存在感を増している。本人も総理への野心を隠そうとしません。菅義偉官房長官も『河野はいい』と公言。2021年まで安倍首相が務めた後、河野氏を担ぐ青写真もあるようです」(政治部デスク)

 外相としては韓国・文在寅政権への強気の姿勢を貫く。慰安婦に関する「河野談話」を出した父・洋平氏とは対照的な姿勢だ。

「文政権が慰安婦合意の再協議を示唆すると、『応じられない』と強気の姿勢を見せた。かつて行革担当相だった頃には、外務省を『害務省』と目の敵にしたこともあり、就任当初、外務官僚は戦々恐々としていた。しかし就任6カ月で4回中東に行くなど、攻めの外交を仕掛ける姿が『前任の岸田氏より胆力がある』と評価されている。また新年の挨拶で、モルディブ大使館の人員削減について『行革担当相時代の私の失敗』と頭を下げたことに心を鷲掴みにされた職員も少なくない」(外務省担当記者)

 河野氏の祖父は副総理などを務め、河野派を立ち上げた一郎氏、父の洋平氏は自民党総裁、衆院議長を歴任したサラブレッド。さらに、母方の曽祖父は伊藤忠商事の創業者、故伊藤忠兵衛氏で、政界屈指の財力を誇る。

 一方、これまで反原発や行政改革の急先鋒として、我が道を歩んできた。

「一言で言えば変わり者。党内でも仲間は少ない。09年の総裁選に出馬し、落選。このとき推薦人になってくれた人に対し、その後、何の手当てもしなかったことが物議を醸しました」(自民党関係者)

 そんな原理主義者も、外相になってからは持論を封印。2月3日、米・トランプ政権が策定した新核戦略について、河野氏は「高く評価する」と談話を出した。

「新核戦略は核兵器の先制使用も辞さないという内容で、反原発の立場からは絶対に認められないはず。派閥の長である麻生太郎財務相から『政府の方針に従え』と言われたことを忠実に守っているそうです」(同前)

 河野家の悲願である総理の座に手が届くか。