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連載THIS WEEK

A4サイズの妻の陰部写真資料を法廷に…珍裁判の行方

source : 週刊文春 2016年5月19日号

genre : ニュース, 社会

裁判が進行中の横浜地裁
Photo:Kyodo

 横浜地方裁判所で卑猥な写真を巡る裁判が進行中だ。

 ある離婚裁判で妻(41)の不貞の証拠として夫(41)が提出した写真が名誉毀損などにあたるとして、夫の代理人・X弁護士を妻が訴えたのだ。

「離婚裁判で、妻がガラケーで自撮りした陰部などの写真を過去に肉体関係にあった男性に送ったものを夫が入手。なんとA4サイズの紙に拡大した陰部の写真を載せ、写真の日付などを書いた資料を証拠提出したのです。ただし、これらの写真は結婚前に撮影、送信したものでした。当然、妻は『婚姻中の不貞の証拠にならない』『尊厳を傷つけられた』と激怒したそうです。離婚裁判自体は今年3月に和解して離婚が成立していますが、妻はX弁護士に約1000万円を求める裁判を起こしたのです」(司法関係者)

 離婚裁判の途中、妻はX弁護士の所属する第一東京弁護士会に懲戒の請求もしていた。懲戒請求の妥当性を審査する第一東京弁護士会の綱紀委員会は、昨年3月の決定書で〈証拠として提出する一定程度の必要性は認められる〉としながらも、こう結論づけた。

〈プライバシーの保護を上回る必要性、相当性等を基礎づける特段の事情があるということはできず、対象弁護士Xには、弁護士として「品位を失うべき非行があった」といえる〉

 その結果、現在、懲戒委員会で審理が進んでいるのだ。

 実はX弁護士は、以下のような直筆の謝罪文を妻に送り、離婚裁判中に夫の代理人を辞任している。

〈私の弁護士としての未熟さによるものというよりはほかなく、何とも言い訳のしようがありません。(中略)誠に申し訳ございませんでした〉

 謝るぐらいなら証拠として出さなければ良かったのにと思うが、X弁護士に聞くとこう反論した。

「1人の人間としては申し訳なかったと思います。ただ、依頼人が強く提出を希望し、また立証の代替手段がなく、弁護士として写真は離婚裁判に必要な証拠だったと考えている。また、綱紀委員会の決議には、複数の事実誤認があると認識しています」

 妻は取材にこう答えた。

「写真の提出で大きな精神的苦痛を感じたのは間違いないです。詳細は裁判が進行中なのでお話しできません」

 珍裁判の結末やいかに。