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作曲家・加古隆「クァルテットでヴァイオリンとヴィオラの位置を離す理由」

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加古隆さん

 NHKスペシャル『映像の世紀』シリーズのテーマソング『パリは燃えているか』など、感情の深いところを揺さぶるような曲で人気の作曲家・加古隆さん。

「20年以上ピアノでのソロ活動を続けていたのですが、メンバーとコミュニケーションをとりながら継続的に演奏する世界に戻りたくなり、2010年からクァルテットとしての活動を始めました」

 加古さんはもともと、パリ国立高等音楽院で現代音楽を勉強中の1973年にフリージャズのグループでデビューした変り種。現在のクァルテットはピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの構成で、クラシックの世界においては、個性的な組み合わせなのだとか。

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「舞台上での楽器の配置を見て欲しいのです。通常はヴァイオリンとヴィオラは近くに寄って演奏するのですが、我々の場合、両端に離れています。真ん中がチェロ、後ろにピアノを配置。こうすることによって、ヴァイオリンとヴィオラの音色の違いが際立ち、聴く方が識別しやすくなります。演奏者の個性をはっきり届けたいと思ったのです」

 今秋公開予定の映画『散り椿』(岡田准一主演)のテーマ曲も公開に先立ち初演することが決まっている。

INFORMATION

『加古隆クァルテット映画音楽セレクション』
3月4日 サントリーホール
https://takashikako.com/concert20180304/index.html

作曲家・加古隆「クァルテットでヴァイオリンとヴィオラの位置を離す理由」

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