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梶原 紀章
2018/02/12

井口監督もベタ褒めした才能

 もちろん野球でも大物ぶりを発揮している。2月10日に行われた今年初めての紅白戦では紅組の4番サードで出場。さっそく2安打を放って見せた。力むことなく自然体。先輩たちが並ぶベンチでも気負いすることなく大きな声を出していた。それまでの練習で動き、スイングを見ていた首脳陣が全員一致で即決した「4番サード」での起用。もちろん井口資仁監督も同じ思いだった。

「最初の紅白戦は土曜日に設定しているから多くのファンが駆け付ける。その前で4番サード安田をお見せしたかった。その期待に気負う事になく自然体で応えた。今日、全選手の中で一番、存在感があったのは安田ではないかな。自分の高校、大学時代には出来なかった事。凄い。雰囲気がある」

 試合後、指揮官は興奮した表情で、若者の才能をベタ褒めした。思えば稲葉篤紀日本代表監督が視察のために訪れ、安田の打撃練習をジッと観察をしていたことがあった。練習後、安田は「見られて意識したか?」という報道陣の質問に「いつも色々な人に見られている。だから特別、意識することはなく自分の打撃をしました」とケロリと答えていた。多くの注目を集めても力むこともプレッシャーに感じることなく自分のパフォーマンスを発揮できることも一流には求められる才能だ。

「ホームランを打つのは簡単な事ではない。でもファンは自分にホームランを期待している。だから、それに応えたい。ホームラン王になりたい。憧れは松井さんとバリー・ボンズさん。2人のような打率も残してホームランを打つような打者になってマリーンズファンに喜んでもらいたい」

 新人が「ホームラン王」を口にするのははばかれるものである。それでもファンが自分に何を期待しているのかをしっかりと理解し、公言することが自分には求められ、ファンが求めていることだと知っている。そしてこれまた簡単には目標に出来ない松井、ボンズという日米のレジェンド2人の名前を目標像としてハッキリと口にする。

 身長188センチ、96キロで筋肉量はなんと76キロでチーム2位。フリー打撃での飛距離は圧巻。プロのスピードにも早くも適応しつつある。なんとも楽しみな若者が入団した。背番号「5」の物語は2018年シーズンから始まる。スーパースターの匂いをプンプンと漂わせながら王道を歩む。

梶原紀章(千葉ロッテマリーンズ広報)

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