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連載すごいアート

林 綾野
2018/02/16

モネ、ルノワール、ゴッホ……コレクター・ビュールレによる豪華作家の競演――すごいアート

 どんな展覧会にもテーマがある。本展はモネやルノワールの名画が並ぶ展覧会だが、それは表向きのテーマ。それらを収集したコレクター「ビュールレ」の存在感こそがこの展覧会のメインテーマだ。

 1890年、ドイツに生まれたビュールレは実業家として財をなし、美術品収集を生き甲斐とした。ゴッホやセザンヌの代表作を含む収集品は六百点におよび、量、質ともに世界トップレベルとされる。

 しかしすんなりと名コレクションが出来た訳ではない。大金を投じたレンブラントは贋作。知らずに買ったナチスの略奪美術品は強制返還になるなど憂き目にもあっている。

 心血注いで集めた絵は彼の芸術への愛を、そして彼がいかに名画を引き寄せる強運を持っていたかを物語る。絵は様々な縁を巡って我々の前に佇んでいるのだ。ビュールレの存在感とともに、人と芸術作品の絆を改めて感じる、そんな展覧会だ。

INFORMATION

『至上の印象派展 ビュールレ・コレクション』
〜5月7日 国立新美術館 火休 03-5777-8600(ハローダイヤル)
http://www.buehrle2018.jp/