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“DJ亀渕”が教えてくれる「肩書で生きない第二の人生」

「週刊文春」2月22日号 最新レビュー

2018/02/17

 文春最新号の「阿川佐和子のこの人に会いたい」のゲストは亀渕昭信。オールナイトニッポンのパーソナリティーとして人気を博し、また制作者として同番組の黄金時代を築くなどしたのち、ニッポン放送の社長を務めた人物だ。

亀渕昭信 ©文藝春秋

「元社長」の肩書で生きない人

 現在レギュラー番組をもっていることもあり、誌面に表記される亀渕の肩書は「DJ、ポピュラー音楽研究家」となっている。上場企業のトップにまで登りつめながら、「ニッポン放送・元社長」でないのがミソ。

 亀渕はもともと音楽・レコード収集が趣味ということもあって、学生時代にアルバイトとしてニッポン放送で働きはじめ、そのまま社員に、果ては社長になる。そして会社から離れると、肩書も会社から離れ、「DJ、ポピュラー音楽研究家」となっているわけだ。
 
 売上目標などの数字をかかげ、それを株主にコミットするのが現代の経営者であり、それに特化したのが「プロ経営者」である。日本マクドナルドやベネッセの社長を歴任した原田泳幸がその代表例か。原田は別にハンバーガー好きが高じてマックの社長になったのではなく、会社経営のプロとして社長になったのである。

原田泳幸 ©文藝春秋

 亀渕はそれとは反対のサラリーマン社長である。音楽が好きで、ラジオが好きで、そうこうするうちに社長になる。そんな亀渕は阿川とこんなやりとりをしている。

阿川 私、日本の経済をダメにしたのは四半期決算じゃないかって、あちこちで言ってるんですよ。

亀渕 おっしゃる通り。四半期決算とグローバリゼーションがサラリーマンを鬱々とさせました。》

 とりわけコンテンツ系の上場企業にいる者は共感しようか。どこぞのソーシャルゲーム会社では四半期ごとの売上目標にくわえ、新作のリリース本数が決められるため、サーバのテストもろくに出来ていない中途半端のゲームをリリースしてしまう事例などを筆者は見聞きした。社員はユーザーよりも「上」を見るようになり、「ものをつくる」から「数字をつくる」になっていくのだ。

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