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天才講談師・神田松之丞の悩み「講談師は絶滅寸前、向いている人とは?」

神田松之丞、語る【後編】

2018/02/18
note

講談師に向いている人とは?

――それにしても、そもそも講談師ってどんな人が向いてるんですかね。

松之丞 学校に通っていた時、朗読が得意だった人はいけますよ。

――なんだか、ずいぶん敷居が下がったような。

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松之丞 講談師は、本があってそれを読むのが仕事なんです。他の姉さんたちに聞いても、朗読が好きだったという人が多いんです。逆に同じ声の仕事をするにしても、台本がないと、僕には手も足も出ないんです。

――どういうことですか?

松之丞 アニメの声優の仕事をいただいたんですが、台本がないんです。監督からは「これこれこういう状況だから、それに合った声をお願いします」と言われたんです。えっ、何それ? と思って(笑)。読むことしかやってないので、ゼロから表現を作るのは無理だってことがよく分かりました。

©榎本麻美/文藝春秋

イケメンは講談に向いてる?

――面白いものですね。だとすると、松之丞さんはナレーションも向いてそう。

松之丞 大河ドラマ、狙ってます。

――実現しそう。

松之丞 あ、講談師にとって大事な条件を言うのを忘れてました。イケメンです。イケメンは講談に向いてます。

――イケメン?

松之丞 そうです。講談の登場人物って、おっちょこちょいの落語と違って、英雄が多いんです。稲葉小僧のような泥棒、天一坊や由井正雪のように幕府転覆を狙った歴史上の人物にしても、とにかくカッコいい。ですから、イケメンの方が優遇されますし、実際、姉弟子たちには美人が多い。講談は美男美女の世界なんです。僕は、ジャニーズの人たちが講談やったら、人気がドッカーンと来るんじゃないかと思ってるくらいで。

――あの、ちなみに松之丞さんは「イケメン指数」でいうと、どれくらいですか。

松之丞 ……55点。60点以上の方、お待ちしています(笑)。

©榎本麻美/文藝春秋
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