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命が掛かるセカンドオピニオン――肺がんの名医 岡田守人医師

2018/04/27
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一緒に病気と戦う関係に

――外科医は体力も知力も必要な大変な仕事ですね。

 でも、こんなにやりがいのある仕事は他にありません。私は生まれ変わっても外科医になりたいと常々思っています。他の雑務でストレスがあっても手術をしているときが一番楽しいし、充実しています。5、6時間手術していても、1、2時間に感じます。手術できるということは原則的に、完治の可能性があるということ。「患者さんを自身の手で治す」仕事にたずさわれる外科医は幸せです。

――重要なセカンドオピニオンですが、遠慮する人も多いですよね。

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 医療情報が公開され、インターネットも普及したおかげで、若い患者さんの中には自分で調べて病院や医師を選ぶ人が増えましたが、日本ではまだ、「他院でセカンドオピニオンを聞きたい」と主治医に言ったら怒られると思っている人が多い。確かに今でも、ムッとする医師がいると思います。

 でも、いろいろな意見を聞いて、患者さん自身が自身の病気について知識を深めてもらったほうが、医者側としてもありがたいのです。きちんとした質問にはきちんと答えなければと思いますし、誠心誠意わかりやすく説明することは医師側にも勉強になるからです。自分が病気や治療のことを深く理解していないと、よどみなく説明できません。なので、説明がしどろもどろの医師の治療は、受けないほうがいいかもしれません。

 一生懸命に病気のことを勉強されて、治療に取り組もうとする患者さんには、医師も人間ですから、「何とかしてあげたい」と思うものです。もちろん、すべての患者さんに手は抜きませんが、一緒に病気と戦う関係がないと、スムーズに治療を進められません。主治医といい関係をつくることが、結局は、いい治療、いい結果につながると言えるでしょう。

命が掛かるセカンドオピニオン――肺がんの名医 岡田守人医師

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